自己都合退職の失業保険支給額と受給期間、受給額を最大化するための全知識

自己都合退職の場合、会社都合退職と比べて失業保険の受給の際に不利になります。

そのような状況でも可能な限り多くの手当をスムーズに受け取るため、正しい手順や支給額を知っておきましょう。

 

また自己都合退職であっても会社都合退職と同様の取扱いを受けられるケースもあります。その場合、一般の会社都合退職の方と比べて多くの失業保険を受け取れるので、条件にあてはまるか検討してみてください。

 

この記事では、自己都合退職の場合の失業保険給付額や会社都合退職にしてもらえる条件など、受給額を最大化するための知識をわかりやすく紹介していきます。

 

  1. 自己都合退職で失業保険を受け取れる条件

1-1.自己都合退職とは

自己都合退職とは、労働者側の事情で自主的に退職することです。

退職には「自己都合退職」と「会社都合退職」の2種類があり、どちらになるかで失業保険の給付日数や受け取れるタイミングが変わってきます。

 

会社都合退職とは解雇や倒産など、会社側の都合で退職を余儀なくされることです。会社都合の場合、離職者は次の就職の準備などもしにくいので、失業保険をすぐに受け取れますし給付期間も長くなります。

これに対し、自己都合退職の場合は労働者の都合で自ら退職するので、失業保険をすぐには受け取れず、受給期間も短くなります。

 

1-2.自己都合退職になる場合

  • 別の会社へ転職したいから退職した
  • 会社が嫌になって退職した
  • フリーランスになるために退職した

こういった事情で退職した場合、会社都合退職よりも失業保険の受給で不利になります。

 

一方病気やけがで退職した場合、親族の介護、妊娠出産、などの理由で退職した場合、自己都合退職にはなりますが、失業保険については会社都合退職と同様の取扱いにしてもらえて多めの金額を受け取れます。

 

1-3.失業保険を受け取れる条件

自己都合退職の方が失業保険を受け取るには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 離職日前の2年間に、12か月以上雇用保険に加入している
  • 再就職の意思と能力があり、ハローワークにて求職の申込みをして求職活動を行っている

 

雇用保険の加入期間が不足していると、退職しても失業保険を受け取れません。退職後、はたらく意思や能力が無い場合も失業保険を受け取れないので、失業後は「就職活動」をしなければなりません。

 

1-4.失業保険の給付日数

自己都合退職の失業保険の給付日数は、雇用保険への加入期間によって決まります。

加入期間が長いほど給付日数も多くなります。

 

加入期間 10年まで 10~20年 20年以上
給付日数 90日 120日 150日

 

1-5.失業保険の金額

自己都合退職で支給される給付金の額は、以下の要素によって決まります。

  • 退職前の6か月の平均給与額
  • 退職時の年齢

 

1-6.失業保険の計算式

  • 失業手当の金額=基本手当日額×給付日数

 

1-7.基本手当日額

基本手当日額は、1日あたりの失業保険支給額で、「賃金日額」の50~80%となります。

 

  • 賃金日額=退職前の6か月間における給与総額を180で割った金額

 

賃金日額の金額に応じて50~80%の給付率が設定されているので、給付率をかけ算すれば「基本手当日額」を算定できます。

 

  • 基本手当日額=退職前6か月の賃金日額×給付率(50~80%)

 

給付率は賃金額が低い人ほど高い割合になります。具体的な計算方法は非常に複雑なので、個別にハローワークへ質問して教えてもらうと良いでしょう。

https://www.knoki.net/keisan/

このサイトのようなシミュレーションソフトを入れると良いのでは?と思いました

 

基本手当日額の上限(2020年3月から適用)

また基本手当日額には年齢ごとの「上限」があり、計算上上限を超えても限度額までしか支給されません。

 

年齢 基本手当日額の上限
~29歳 6,815円
30~44歳 7,570円
45~59歳 8,330円
60~64歳 6,815円

 

基本手当日額の上限は、頻繁に変更されます。実際にいくら受給できるのかについては、その都度ハローワークで確認するようお勧めします。

 

また基本手当日額の最低額は2,000円ですので、計算上2,000円を下回っても1日2,000円までは受け取れます。

 

2.自己都合退職は失業保険受給で不利になる

自己都合退職は会社都合退職と比べると、失業保険の受給で大きく不利になってしまいます。

 

2-1.3か月の給付制限期間がある

自己都合退職の場合、離職後も失業保険をすぐに受け取れません。「3か月間の給付制限期間」が適用されるからです。

失業保険をハローワークへ申請すると「7日間の待機期間」が過ぎるまで支給開始されません。

会社都合退職の場合には、7日間の待機期間を過ぎればすぐに受給できますが、自己都合退職の場合にはさらに90日間(3か月)、受給を制限されるのです。

 

よって退職後も3か月と7日間は失業保険を受け取れなくなってしまいます。

 

2-2.失業保険の給付日数が少なくなる

自己都合退職の場合、会社都合退職と比べると失業保険の受給日数も少なくなります。

自己都合退職での失業保険給付日数は上記でも説明しましたが、全年齢共通で90日から150日までです。

一方会社都合退職の場合には、年齢によっても受給期間が異なり、60歳までは年齢が上がるほど受給日数が長くなります。

また30歳未満でも10年以上はたらいていれば受給期間が180日になりますし、その他の年齢では最長240日間~330日間失業保険の給付を受けられます。

給付期間が長くなる分、当然受取総額も大きく上がります。

 

このように、自己都合退職になると失業保険をすぐに受け取れない上に給付日数を減らされて支給額も減ります。

 

3.自己都合退職でも「会社都合退職」と同じ扱いにしてもらう方法

3-1.「会社都合退社」に変えてもらえる場合

自己都合退職とされていても、ハローワークで「会社都合退職」にしてもらえるケースがあります。

一般的に「解雇」や「倒産」によって退職したら会社都合退職になると考えられていますが、それ以外に以下の場合にも会社都合退職にしてもらえるのでチェックしましょう。

退職勧告された

会社から退職勧奨されてやむなく離職した場合には、自ら退職願を出した場合でも会社都合退職にしてもらえます。

会社が「自己都合退職」と評価していても失業保険申請時に会社都合退職に変えてもらえる可能性があるので、相談してみてください。

 

長時間労働が続いていた

長時間労働が続いていた場合にも、会社都合退職にしてもらえる可能性があります。

  • 離職直前の6か月において、3か月連続で残業時間が45時間を超えていた
  • 1か月で100時間、または2〜6か月の残業時間の平均が80時間を超えていた

上記の条件に該当し、会社が労基署による改善指導に応じなかった場合「会社都合退職」にしてもらえます。

 

給料が大幅に減額された

給料が大幅に減額されると生活を維持できなくなるので、仕事を続けにくくなるため、「会社都合退職」と扱ってもらえる可能性があります。

 

具体的には従来に比べて85%未満に減給されると、会社都合退職とされます。

ただし降格に伴って減給された場合や出来高払いの場合は除外されます。

 

給料未払い、遅延

給料未払いや遅延が続いた場合にも会社都合退職となります。

具体的には給料の3分の1が支払われない期間が2か月続いた場合、退職前の6か月間に未払いが3回あった場合です。

 

事業所が移転して勤務地が遠くなった

事業所が移転し、勤務時間が往復4時間を超える状態になると、移転後3か月以内に退職した場合に会社都合退職としてもらえます。

 

業務内容の大幅な変更

採用時の契約内容と業務内容や勤務地が大きく変更されたことにより、やむなく退職した場合にも会社都合退職となります。

 

パワハラやセクハラを受けた

パワハラやセクハラの被害を受けてやむなく退職した場合にも会社都合退職にしてもらえる可能性があります。

 

会社が長期間休業して給料を受け取れなかった

会社が3か月以上連続して休業し、休業手当も受け取れなかった場合には自主的に退職しても会社都合退職にしてもらえます。

休業手当を受け取っていた場合には自己都合退職となります。

業務内容が法令違反

会社が法令違反行為をしていた場合、その事実を知ってから3か月以内に退職すれば会社都合退職になります。

契約が更新されなかった

有期雇用の労働者の場合、契約が更新されずに離職したら会社都合退職にしてもらえる可能性があります。

 

上記にあてはまる場合には、会社都合退職としてもらえる可能性があるので、ハローワークへ事情を話して相談してみてください。ただしそれぞれのケースで「証拠」が必要となるので、事前に資料を集めておく必要があります。

たとえば残業ならタイムカードや日報などの資料、賃金減額なら給与明細書などを用意しましょう。

 

3-2.特別理由離職者になる場合

労働者側の都合で退職するケースでも「特定理由離職者」になると会社都合退職の人と同じ取扱いをしてもらえます。つまり給付期間制限がなく、給付日数も長くなる可能性があるので、ぜひチェックしてみてください。

 

特定理由離職者とは、やむをえない事情で離職した人です。具体的には以下のようなケースが該当します。

  • 体力不足、心身の障害、病気やけが
  • 妊娠、出産、育児
  • 親や親族の死亡や病気、介護、扶養のため
  • 転勤や出向などで配偶者と別居生活を続けるのが難しいため
  • 電車やバスの廃止や運行時間の変更によって通勤が困難になった

 

心当たりのある方は、ハローワークへ事情を話して相談してみてください。

 

4.自己都合退職でも失業保険を最大限受け取る方法

自己都合退職となる場合でも、失業保険を最大限受け取るため以下のような工夫をしてみましょう。

4-1.退職前6か月間に残業をする

失業保険の受給金額は退職前6か月間の平均賃金によって決まるので、その期間の給与額を増やせば受給金額が増えます。

退職を決意したら、半年間「残業」を増やして給料を可能な限り増額しましょう。時間外労働や休日出勤、深夜労働をすると、通常の賃金より増額された「割増賃金」をもらえます。

残業代不払いにされた場合には、会社都合退職に変更してもらえる可能性もあるので、許される限り残業をしてみてください。

 

4-2.公共職業訓練を受ける

公共職業訓練とは、求職者がスキルアップするための訓練であり、独立行政法人や自治体が行っています。職業訓練の受講中は失業保険を受給し続けられるので、本来より受給期間が延長される可能性があります。

 

たとえば120日の失業保険を受給できる人が、支給開始後100日後に150日の職業訓練を受けると、受講中の150日間は失業保険をもらえます。

合計すると、100日+150日=250日分の失業保険を受けられる結果となります。

また訓練校により、失業保険とは別途手当をもらえるケースもあります。

 

公共訓練を受けると、IT関係や介護などの仕事に役立つスキルを取得できるメリットもあるので、スキルアップを目指す方はぜひ検討してみてください。

 

4-3.再就職手当を受給する

失業保険の受給中、早めに就職が決まったら「再就職手当」を受け取れる可能性があります。

再就職手当とは、失業者が早期に就職できた場合に一括で給付される手当です。

支給条件は以下のとおりです。

 

  • 7日間の待期期間を満了した
  • 失業手当の支給日数が3分の1以上残っている
  • 前職とは無関係な会社に再就職した
  • 自己都合退職で3か月の給付制限が適用される場合、1か月目であればハローワークや人材紹介会社の紹介によって就職した
  • 再就職先の会社で1年以上働く見込みがある
  • 再就職先の会社で雇用保険に加入する
  • 過去3年以内に再就職手当を受け取っていない
  • 失業保険の受給決定前に内定をもらっていない

 

生活の安定のため早めの転職に成功した方は、再就職手当の受給条件にあてはまらないかチェックしてみてください。

 

5.自己都合退職で失業保険を申請するなら専門機関へ相談を

自己都合退職の場合、普通に申請すると3か月の給付制限期間が適用され、受給金額も減らされてしまうでしょう。

実際には「会社都合退職」に変えられるケースや「特定理由離職者」として長い受給期間が認められるケースもあるので、状況に応じた見極めが必要です。自分では適切に判断しにくい場合、社会保険申請の専門機関へ相談してみてください。

当社では多くの自己都合退職の方の失業保険申請をサポートしてきた実績があり、知識とノウハウを活かして最大限の給付を受けられるよう個別にアドバイスさせていただけます。

自己都合での退職を検討されている方、失業保険の申請をしたい方は、ぜひとも一度、ご相談ください。

社会保険給付金サポートはこちらです。

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