会社を退職したいとき、上司にどうやって伝えたらよいのか迷ってしまう方が少なくありません。
退職意思を伝えるシーンを想像するだけで、気分が滅入ってしまう方も多いでしょう。
できるだけ円満退社するためには、上手な伝え方、辞め方を知っておくと役立ちます。
今回は会社を辞めるときの「退職理由の伝え方」をご紹介しますので、会社を辞めたい方はぜひ参考にしてみてください。
社会保険給付金アシストでは退職した後に
・ゆっくりしたいけどお金がない
・しばらく働きたくない
・給付金が欲しいけど申請方法がわからない
といった方に向けて社会保険給付金申請のサポートをしています。
万が一給付金がもらえなければ全額返金保証があるので、お気軽にお申し付けください
→https://syoubyouteate.com/
1.退職したい…黙って辞めるのはNG?
会社を退職したいとき、「上司と一切話したくない」「退職の話し合いをするのが面倒」「できればもう二度と会社と関わりたくない」と考える方も多いでしょう。
会社に連絡せず、黙って出社せずフェードアウトしてしまってもよいのでしょうか?
確かに連絡を入れずに出社せず音信不通にすれば、会社を辞めること自体は可能です。
しかしその場合、会社や同僚に大きな迷惑をかけてしまうでしょう。
また以下のような問題が発生する可能性もあります。
1-1.懲戒解雇扱いとなる
会社を長期に渡って無断欠勤すると、懲戒解雇扱いとなるのが通常です。
そうなれば次の就職で不利になる可能性がありますし、以下で説明するように退職金や失業保険との関係でもリスクが発生するリスクが高まります。
1-2.退職金や未払い賃金をもらえない
懲戒解雇扱いになると、退職金を支給してもらえないケースが多数です。
また未払いの賃金がある場合でも、いきなり会社に来なくなった人には支払われないでしょう。
黙って会社をフェードアウトすると、本来ならもらえる賃金や退職金をもらえなくなってしまうリスクが高まります。
1-3.失業保険を受け取りにくくなる
無断欠勤を続けて会社を辞めると、失業保険を受け取りにくくなる可能性もあります。
失業保険をもらうには、会社から「離職票」を発行してもらわねばならないためです。
会社がどうしても発行してくれない場合にはハローワークに相談して対応してもらえる可能性もありますが、自ら長期無断欠勤して無理やり退職した場合には、ハローワークの担当者も良い顔はしないでしょう。
失業保険の受給をスムーズに進めたいなら、円満退職が望ましいといえます。
1-4.失業保険の受給時期が先に延びてしまう
長時間労働やパワハラ、うつ病や介護などの事情で会社を辞める場合、退職後すぐに失業保険の受給を開始できます。
しかし会社を長期無断欠勤して懲戒解雇されたら「自己都合退職」となるので、失業保険の受給時期は2ヶ月先に延びてしまいます。さらに受給期間も短くなり、総受給額も減ってしまうケースが多数です。
失業保険を十分に受け取りたいなら、黙って辞めるのは避けましょう。
1-5.健康保険の切り替えがスムーズに進まない
黙って会社をフェードアウトすると、健康保険の切り替えもスムーズに進まない可能性があります。
会社員が会社をやめたら、基本的に国民健康保険に入り直さねばなりません。そのためには会社の社会保険から「資格喪失証明書」を発行してもらう必要があります。
無断の長期欠勤により会社と連絡をとらない場合、資格喪失証明書の発行も依頼しにくいでしょう。
手元に有効な健康保険証がなく、病院に通うのが難しくなってしまうリスクが発生します。
このように、退職希望を告げずに黙って会社に行かなくなるとさまざまなデメリットが発生します。辞めたいときにはきちんと会社に話を通しましょう。
2.退職理由は言わなくていい?
会社を辞めるとき、退職理由を考えるのは面倒なものです。
できれば退職理由を言わず、退職届だけを受理してもらいたいと思う方も多いでしょう。
しかし退職理由を伝えなければ、会社から「なぜ辞めるのか」と聞かれる可能性が高くなります。
何も答えなかったら会社から引き止められたり、悪い印象を与えてしまったりするでしょう。
確かに職場の人間関係や上司との関係が悪い、パワハラが辛い、給料が少ないなど、正直に言いにくい場合もあります。
そういったケースでもうまく説明する方法があるので、退職理由を説明し、お互い理解したうえで円満退社を目指しましょう。
3.言っても良い退職理由
以下では、会社にそのまま伝えても問題のない退職理由をご紹介します。
3-1.病気、体調不良
うつ病や身体的な病気、体調不良などの健康状態に関する理由であれば、そのまま伝えて問題ありません。
会社から引き止められそうな場合には、事前に医師に依頼して「診断書」を作成してもらいましょう。「療養が必要」「就労は困難」などと書いてもらえたら、会社も無理に引き止めるのは難しくなります。
休職制度がある場合
休職制度のある会社の場合、「働けないなら、まずは休職してはどうか?」と進められる可能性があります。その場合には、まずは休職して休職期間が終了してから「まだ治らない」といって退職するのがよいでしょう。
パワハラが長時間労働でうつ病になった場合
上司のパワハラや長時間労働、人間関係の悪化などでうつ病になった場合、あまり会社を責める発言をしないように注意しましょう。会社を攻撃すると、会社側も構えてしまい円満退社が難しくなってしまうからです。うつ病になった理由は詳しく言わず「病気でこれ以上働けない」事実のみ伝えてみてください。
病気による退職は失業保険申請時にも有利になる
実は病気やケガが原因で退職する場合、「特定理由離職者」となるので失業保険を受け取る際にも有利です。
受給要件とされる退職前の雇用保険の加入期間も短くて済みますし、申請後2ヶ月の待機期間が適用されずすぐに失業保険を受け取れます。
3-2.結婚や出産、育児
結婚や出産、育児などのために退職したい場合にも、そのまま伝えて問題ありません。
ただ会社から「結婚しても仕事を続けられるのでは?」などといわれる可能性もあるでしょう。
その場合には「育児に専念したい」「不妊治療に専念したい」「家族と相談して決めました」「妊娠しているとつわりや切迫早産などが心配なので、万全の対応をとりたい」などと伝えてみてください。
たいていの会社であれば、退職を認めてくれるでしょう。
3-3.親の介護
親の介護が必要なときにも、そのまま伝えて問題ありません。
「自分しか介護できる人がいない」「親が遠方に住んでいて通うのが難しい」「家族と相談して決めました」などと言ってみましょう。
3-4.すでに転職先が決まっている
どうしても引き止められそうな場合、「転職先が決まっている」と伝える方法が有効です。
すでに転職先が決まっているなら、会社としても引き止めようがありません。
在職中に転職活動をしていたとなると、悪印象を与えるのでは?と心配かもしれませんが、今は多くの方が在職中に転職先を決めています。
現実問題として、在職中に転職活動できなければ退職後の空白期間が生じて生活にも困ってしまうでしょう。
遠慮する必要はないので、転職先が決まっているならはっきりそう伝えてみてください。
4.言わない方がよい退職理由
以下のような退職理由は、たとえ本心であっても言わない方が無難です。
4-1.会社への不満
会社への不満をぶつけてしまうと、円満退社が難しくなる可能性が高まります。
たとえば以下のような事情は、はっきり言わない方がよいでしょう。
- パワハラやセクハラを受けている
- 長時間労働がきつい
- 給料が低い
- 仕事内容が気に入らない、つまらない
- 人間関係が悪い
- 社風が嫌い
- 会社の先行きが不安、将来性を感じられない(倒産の懸念など)
上記のような理由が本心の場合、次の項目で「言い換える方法」をご紹介しますので参考にしてみてください。
なおパワハラやセクハラが理由の場合、いきなり辞めずに会社に改善を促す方法もあります。辞めるかどうか迷ったら、まずは社内の相談窓口や弁護士に相談してみてください。
4-2.一身上の都合
テレビドラマなどをみていると、退職時に「一身上の都合」と説明するシーンがよく出てきます。「一身上の都合といえば詳しく説明しなくて済むのか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに間違ってはいませんが、あまりお勧めではありません。
そのような伝え方をすると「具体的には何なのか?」と突っ込まれるリスクがありますし、「何かあるのだろうか?」と勘ぐられてしまう可能性もあります。
社内外で妙な噂が広まってしまうかもしれません。
できればそのような曖昧な伝え方をせず、会社が納得しやすい理由を述べましょう。
5.退職理由を言い換える方法は?
以下のような退職理由をそのまま伝えると、問題が発生する可能性があります。
- パワハラ、長時間労働
- 職場や上司との関係
- 仕事内容や待遇に関する不満
このような場合、退職理由を以下のように言い換えてください。
5-1.実家に戻る
実家が会社と離れた場所の方であれば、「実家に戻る」と伝えるのが有効です。
転勤を命じられたタイミングで辞めたい場合でも「実家に戻る必要がある」といえば会社は納得せざるを得ないでしょう。
5-2.引っ越すことになった
「家族と話し合い、引っ越しが決まって出社が難しくなった」という理由も効果的です。
配偶者の転勤や仕事の都合などの事情もあれば、伝えてみてください。
5-3.キャリアアップしたい
会社が嫌で辞めたい、条件が悪い、人間関係が悪いなどの事情で辞めたい場合「キャリアアップしたい」「夢を諦めきれない」などの理由が有効です。
たとえば「司法書士になりたいので、試験勉強に専念したい」「MBA資格を取得してエキスパートになりたい」「留学したい」などと伝えれば、会社の方も引き止めるのは難しくなるでしょう。
5-4.やりたいことができる会社に移りたい
今の仕事が気に入らない場合や条件が悪い場合などには「やりたいことができる会社に移りたい」と伝えてみましょう。
今の会社では自分の本当にやりたいことができない、進みたい方向と違うと明確に伝えらたら、無理やり引き止められにくいでしょう。
6.退職理由は「嘘」でもいいの?
会社を退職したいとき、適当な理由を思いつかないので「嘘」をついてしまう方もおられます。
たとえば結婚しないのに「結婚する」、実家に戻らないのに「実家に戻る」と言ったりするパターンです。
このような「明らかな嘘」はお勧めではありません。どのようなきっかけで嘘が発覚するかわからないからです。転職先で今の会社と取引することがあれば、嘘が発覚して転職先でも信用を失ってしまうおそれもあります。
なお嘘と「建前」は異なります。
本音を言うとトラブルになりそうなときにも、嘘は言わず「建前」を使って言い換えをしましょう。
建前を考える際には「ポジティブな言い換え」がポイントになります。
たとえば以下のように言い換えてみてください。
- 給料が安すぎる、仕事が嫌い→新しい仕事にチャレンジしてみたい
- 同僚や上司との人間関係が悪い→自分のライフスタイルに合った環境で働きたい
7.退職希望を伝える手順、タイミング
退職するときには、どのような方法でいつ伝えるかも重要です。
以下で退職希望を伝える具体的な手順やタイミングをみていきましょう。
7-1.就業規則を確認
まずは会社の就業規則を確認しましょう。就業規則には、「退職は○ヶ月までに申し出ること」などと退職時期に関するルールが定められているケースが多いからです。
法律上は退職希望を伝えると2週間後に退職できることになっていますが、円満退社を目指すなら会社のルールに従う方が無難です。
まずは就業規則を確認し、いつまでに言わなければならないのか把握しましょう。
7-2.上司に退職意思を告げる
退職に必要な期間がわかったら、今の仕事の内容や引き継ぎ期間なども考慮した上で直属の上司に退職希望を伝えましょう。
このとき、事前にアポをとるようお勧めします。
上司が忙しくしているタイミングで退職の話をしようとしても、気が急いて冷静に話を聞いてもらえなかったり、うやむやにされたりする可能性があるからです。
上司に時間をとってもらい、他に誰もいない落ち着いた場所で「退職したい」と伝えてみてください。
7-3.話し合って退職日と引き継ぎを決める
会社が退職を認めてくれたら、具体的な退職日を決めましょう。円満退社したいなら、引き継ぎなどもきちんと行うようお勧めします。
また有給が残っている場合には、遠慮せずに消化しましょう。有給は労働者の権利なので、遠慮する必要はありません。
7-4.退職届と退職願の違い
退職したいときには「退職願」ではなく「退職届」を提出するようお勧めします。
退職願は「辞めさせてください」と会社にお願いする書類なので、会社が認めなければ退職できない可能性があります。
一方、退職届は「辞めます」という意思表示なので、会社が許す許さないにかかわらず会社を辞める意思を伝えることができます。
退職の決意が固まっているなら退職届の方が適切といえるでしょう。
8.退職理由と失業保険の関係
実は退職理由により、失業保険の受給時期や総支給額が異なる可能性があります。
会社都合退職や一定理由の離職者の場合には、失業保険をすぐに受け取れます。
一方で完全な自己都合退職の場合、失業保険の受給時期を2ヶ月延ばされてしまいます。
ハローワークへ失業保険の申請をするときには、どちらになるのか意識しておきましょう。
8-1.失業保険をすぐに受け取れる退職理由
- 解雇、リストラされた
- 会社が倒産した
- 労働条件が、入社前に提示されたものと著しく異なる
- パワハラや長時間労働
- 賃金不払い
- 遠方への転勤命令が出ても配慮してもらえなかった
- 病気やケガ
- 家族の介護
- 出産、育児など
8-2.失業保険の受給時期が2ヶ月延ばされる退職理由
- キャリアアップ
- 給料が低い
- 社風が嫌、仕事内容や会社が嫌い
9.退職、失業保険の相談は社会保険給付金サポート会社へ
まったく同じ状況でもハローワークへの申請方法により、失業保険を早く受け取れるか2ヶ月遅くされるかが変わってくる可能性があります。なるべく得をする方法で失業保険を申請するには、専門的な知識が必要となるでしょう。
自分で対応するのが難しい場合には、社会保険給付金サポート会社を利用してみてください。状況に応じて最適な退職理由やハローワークへの失業保険申請方法について、アドバイスをしてもらえます。
退職理由の伝え方に迷っているなら、まずは一度社会保険給付金サポート会社へ相談してみましょう。