会社を辞めると、収入がなくなって生活費に困る方が少なくありません。家賃も支払えなくなったら、家を追い出されるリスクも発生するでしょう。
実は失業者が一定の要件を満たすと「家賃補助」を受けられる可能性があります。
今回は失業者が家賃の支援を受けられる「住居確保給付金」制度の受給条件や受給金額、申請方法を詳しく解説します。
失業保険との関係についてもお話しますので、退職後の生活が心配な方はぜひ参考にしてみてください。
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1,失業時の家賃補助制度(住居確保支援金)とは
会社を退職した後に受けられる家賃補助制度を「住居確保支援金」といいます。これは、離職、休業、廃業などで収入が減った方へ家賃が補助される制度です。
重役確保支援金制度を実施しているのは国(厚生労働省)ですが、具体的にお金を支給してくれるのは自治体です。
もともと会社員だった方はもちろん、自営業やフリーランスで職を失った方、減収となった方も家賃補助を受けられる可能性があります。
特に2020年4月からは新型コロナウイルス感染症の影響で仕事を失う方が増えており、受給者が増えている状況です。
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住居確保支援金を利用できる条件
住宅確保支援金を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 離職、廃業後2年以内。または本人の責任や都合によらず収入が著しく減少している
住居確保支援金を申請できるのは、基本的に退職や廃業後2年以内の方です。ただし廃業していなくても、本人の責任によらずに収入が廃業したのと同程度に落ち込んでいたら申請資格が認められます。
- 離職・廃業時に主として生計を支えていた
退職、廃業した時点において、本人が主として生計を支えていたことが必要となります。
- 世帯収入の要件
直近の世帯収入が、市町村民税の「均等割」が非課税になる水準の1/12と家賃の合計額を超えていないことも要件とされます。
- 預貯金額の要件
住居確保支援金の申請時において世帯全体の預貯金額が、各市区町村の定める金額を超えていないことが必要です。基本的には「基準額の6ヶ月分」が上限ですが、100万円をこる場合にも対象外となります。
- 求職活動を続けること
住居確保支援金を受け取るには、誠実かつ熱心に求職活動を続けなければなりません。求職活動をしなくなったら家賃補助を停止されます。
- 他の給付金を受け取っていない
申請者本人や同一世帯の人が住居確保支援金に類似する制度や「職業訓練受講給付金」などの雇用促進給付金を受け取っていないことが条件とされます。
1-2.住居確保支援金による支給額
住居確保支援金が支給される場合、どのくらいの金額が支給されるのでしょうか?
実は住宅確保支援金による支援金額は、市区町村によって異なります。各市区町村によって「基準額」が異なるためです。
ここでいう「基準額」は、「市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12」をいいます。
均等割とは
均等割とは、所得額に関係なく自治体内のすべての住民に同じ金額が課される住民税です。
住民税には、所得額に応じて算定される所得割と、所得に無関係に課税される均等割があります。
均等割の金額は自治体によって異なりますが、1000~数千円程度となるケースが多いでしょう。また所得が一定以下になると、均等割は免除され非課税になります。
住居確保支援金の「基準額」は、その「均等割が非課税になる金額の1/12の金額」とされています。
住居確保支援金の金額
住居確保支援金の支給額=基準額+家賃額-世帯収入額
つまり世帯収入額が基準額以下になると、家賃相当額の一部や全部が支給される計算です。
ただし支援額には上限があるので、必ずしも家賃の全額を受け取れるとは限りません。
また支給対象額には「共益費、管理費」は含まれず「家賃部分のみ」となるので注意しましょう。
住居確保支援金の上限額
住居確保支援金の上限額は、各自治体によって異なります。
たとえば東京都の場合には以下が上限となっています。
世帯人数 | 住居確保支援金の上限 |
1人 | 53700円 |
2人 | 64000円 |
3人~5人 | 69800円 |
6人 | 75000円 |
7人以上 | 83800円 |
具体的な給付限度額については、お住いの地域の役所へ問い合わせてみてください。
2.住居確保給付金の支給期間
失業時の家賃補助制度である住居確保給付金の支給期間は、基本的に「3ヶ月間」とされています。ただしその間に就職が決まらず、一定要件を満たす場合には、延長申請もできます。
以前は2回まで延長可能で、支給期間は最大で9ヶ月間とされていました。
令和3年1月1日以降は3回目の延長申請が可能となっており、最長で12ヶ月間までの延長が認められる可能性があります。
12ヶ月間延長できるのは、令和2年度中に新規申請して受給を開始した人です。
3回目の延長申請ができる条件
3回目の延長申請ができるのは、住居確保支援金の基本的な受給条件にプラスして以下の条件を満たす方です。
- 世帯全体の預貯金合計額が、「基準額」の3ヶ月分を超えていない
- 世帯全体の預貯金合計額が50万円を超えていない
- ハローワークへ「求職の申込み」を行い、誠実かつ熱心に求職活動している
4.住居確保支援金と求職活動の関係
住居確保支援金を受け取るためには「求職活動」を継続しなければなりません。
そもそも住居確保支援金は、「就職を支援する制度」だからです。
就職の意思と能力があって実際に求職活動をしていなければ、支給を受けられません。就職活動を辞めると支援を打ち切られる可能性があるので注意しましょう。
また住居確保支援金を受け取るには、ハローワークへの「求職の申込み」をしなければなりません。これは「失業保険(雇用保険の基本手当)」と同じ手続きになります。
また住居確保支援金を受け取っている間、自治体へ「就職活動の報告」も続けなければなりません。必要とされる就職活動の方法は、おおむね以下のようなものです。
- 月に2回以上、ハローワーク(公共職業安定所)で職業相談を受ける
- 月に4回以上、支援員と面談して求職活動内容を報告する
- 週1回、求人へ応募する、または面接を受ける
5.住居確保給付金の申請方法、手続きの流れ
5-1.支援機関に相談する
住居確保給付金を受け取りたいときには、自治体から委託された支援機関に相談するところから始めましょう。こうした専門の支援機関を「自立相談支援機関」といいます。
具体的な自立相談窓口機関の窓口は、自治体のホームページなどで公表されているので、調べてみてください。一般には社会福祉法人やNPO法人が窓口となっている例が多数です。
支援機関がわかったら電話やメールで連絡して、面談の予約をとりましょう。
5-2.書類の作成と提出
支援機関で相談をすると、必要書類の種類や作成方法を教えてもらえます。
主な必要書類
住居確保支援金の申請に必要な書類は、おおむね以下のようなものです(自治体によって多少異なる可能性があります)。
自分で作成する書類
- 住所確保給付金支給申請書
- 離職状況等に関する申立書
- 収入状況等に関する申立書
- 賃貸借物件の契約状況に関する申立書
- 住居確保給付金申請時確認書
大家や不動産会社に記入してもらう書類
- 入居住宅に関する状況通知書
集める資料(作成や記入は不要)
- 離職票
- 給与明細書
- 預貯金通帳
- 賃貸借契約書
書類が揃ったら自立相談支援期間の担当窓口へ提出しましょう。
審査
書類を提出すると、行政側で審査が行われます。
決定通知と支給開始
審査に通過すると、住居確保支援金の受給決定通知書や対象者証明書が自宅に届きます。
支援金は自治体から大家や不動産管理会社へ直接振り込まれるので、全額補助してもらえる場合には自分で支払う必要はなくなります。
一部補助のケースで自己負担分がある場合、不足部分のみを期日までに大家や不動産管理会社へ支払いましょう。
延長申請の手続き
住居確保支援金の受給期間を延長したい場合にも、自立相談窓口機関への申請が必要です。
受給の最終月に担当者へ相談して、申請手続きを行いましょう。
新型コロナウイルス感染症への対応
上記は通常時の申請方法ですが、2020年以降、新型コロナウイルス感染症が流行る中で「郵送」による手続きを推奨する自治体も増えています。
自治体のHPをみたり電話で問い合わせたりして、具体的な方法を確認しましょう。
6.住居確保給付金の注意点
住居確保支援金を受給する際には以下のような点に注意してください。
6-1.対象外の費用
住居確保支援金によって支給されるのは「家賃本体」部分のみです。
敷金や礼金、補償金、共益費や管理費は含まれません。駐車場代も支給対象外となります。
6-2.事業用物件は対象外
住居確保支援金は「申請者が居住する家」の家賃を支援する制度なので、店舗などの事業用物件は対象外です。
ただし住居兼店舗の場合、住居部分のみの支援を受けられる可能性があります。この場合、全体の免責のうち住居部分の割合を計算し、その部分に相当する家賃の支援を申請しましょう。
6-3.月1回の報告が必要
住宅確保支援金を受給し続けるには月に1回、自立相談支援機関へ報告をしなければなりません。求職活動の内容や収入状況を届け出ましょう。
6-4.職業受講給付金と併給できない
住居確保支援金と職業受講給付金は同時受給できません。
国や自治体による「職業訓練受講給付金」を受給すると、住居確保支援金の支給は停止されるので注意しましょう。
7.失業保険との関係
会社を辞めると、「失業保険」ももらえる可能性があります。
住居確保給付金と失業保険は同時に受け取れるのでしょうか?
7-1.失業保険とは
失業保険とは、雇用保険から支給される基本手当です。
失業すると生活費や就職活動にかかる経費が必要なので、雇用保険から支援金としての基本手当が支給されます。
失業保険を受け取れるのは、以下の条件を満たす人です。
- 一定以上の期間、雇用保険に加入していた
基本的に退職前の2年間に12ヶ月以上雇用保険に入っていたことが条件とされます。ただし会社都合退職や特定理由離職者の場合、退職前の1年間に6ヶ月以上雇用保険に入っていたら条件を満たします。
- 就職の意思と能力がある
就職する意思と能力を持っていなければなりません。病気やケガではたらけない状態の方、しばらく働く気がない方は失業保険をもらえないと考えましょう。
- 実際に求職活動を行っている
実際にハローワークで職業相談を受けたり企業の面接を受けたりして、就職活動を継続しなければなりません。4週間に1回、ハローワークへいって求職活動を報告し、「失業認定」を受ける必要があります。
7-2.失業保険と住居確保支援金は同時受給できる
失業保険と住居確保支援金は別個の制度であり、同時受給が可能です。
家賃支援を受けながら失業保険を受け取れば、失業中の生活もずいぶん楽になるでしょう。
ただし失業保険も住居確保支援金も「ハローワークへの求職申込みと就職活動の継続」が要件となります。受給を止められないように、まじめに就職活動を続けましょう。
7-3.申請の順番はどちらでも良い
失業保険と住居確保支援金を申し込む順序に決まりはなく、どちらに先に申し込んでもかまいません。
7-4.期間制限
失業保険には「退職後1年以内」の受給期間制限があります。また住居確保支援金を申し込めるには「退職後2年以内」の人です。このように、両方の制度ともに「期間制限」があるので、早めに申請するのがよいでしょう。
8.住居確保支援金、失業保険の申請は社会保険給付金サポート会社へ相談を
会社を退職すると、住居確保支援金や失業保険などの各種給付金を受け取れる可能性があります。
ただこれらの制度はそれぞれ別個のものであり、申請先や申請方法も異なります。必要書類もそれぞれ揃えなければなりません。非常に手間がかかりますし、何から手を付けてよいかわからない方も多いでしょう。
迷ったときには、社会保険給付金サポート会社へ相談してみてください。
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こうした会社では相談料はかからないのが一般的です。自分一人で悩んでいても事態は良い方向に進みにくいので、まずは一度、専門知識をもった会社へ相談してみてください。