「会社から退職勧奨を受けた…どうしよう」
「退職勧奨ってクビってこと?」
「自己都合退職になるの?」
と気になっていませんか。
退職勧奨とは簡単に説明すると、会社が従業員に退職をすすめることです。拒否権もあるので、会社を辞めたくなければ断ることもできます。
退職勧奨で退職をすると、会社都合退職になります。ただし、離職票に自己都合退職とチェックされることもあります。
失業保険を受給ときに、自己都合と会社都合では受給期間や受け取れる額が大きく異なるので要注意です。
そこで、この記事では
- 退職勧奨について
- 退職勧奨をされる主な理由
- 対処法
- 受け入れるメリット・デメリット
などについて詳しく解説します。しっかりと理解をして、あなたにとってベストな方法をとってくださいね。
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退職勧奨についてサクッと解説
繰り返しになりますが、会社が従業員に退職をすすめることです。退職勧奨は、退職勧告とも呼ばれます。
労働基準法により、労働者が守られています。そのため、会社が従業員を解雇するのは難しいです。
解雇するためには、厳格な条件を満たさなければいけません。もちろん、従業員が不服と思えば解雇無効を訴えられます。
そのため、トラブルを避けるために多くの企業は辞めさせたい従業員に対して退職勧奨を行います。
退職勧奨では退職を強制できない
結論から言うと、退職勧奨では退職を強制できません。そのため、必ず受諾する必要はないです。
あくまでも、退職勧奨とは退職をすすめられているだけです。従業員が辞めるかどうかを選択できます。退職を強制するのは違法です。退職を強制された場合は、不当解雇と同様に争えます。
辞めても良いと考えるのであれば、交渉しましょう。交渉次第で支給される退職金などがアップすることも。退職金や条件などを考慮してから、判断をしてくださいね。
退職勧奨をされる主な理由5選
退職勧奨は、あなたが原因でされるだけではありません。会社側の事情によって、行われることが多いです。
こちらでは、退職勧奨をされる主な理由を5つ紹介します。
- 会社の業績不振
- 人員削減
- 業務構造や組織の変更
- 能力不足
- 問題を指摘されているのに改善しない
1つずつ詳しく確認していきましょう。
1.会社の業績不振
会社の業績が悪化し、経営的な理由から人員削減が必要になった場合です。特に、コロナの影響で業績が悪化した会社も多く見受けられます。
この場合は、あなただけでなく周りの人も退職勧奨を受けているはず。
転職・求人dodaによると、2023年下半期の転職市場は求人が増えて売り手市場が続きます。ただ、職種によって異なるので要注意です。
転職できるかどうか不安で、退職勧奨を受けるべきか迷っている人は転職エージェントに相談すると良いでしょう。倒産する心配があるのであれば、転職も1つの選択肢として考えてみてくださいね。
2.人員削減
人員削減として、退職勧奨を行うこともあります。会社の経営が悪化していたり、経済的に問題を抱えていたりすると大幅な人員削減が必要に。
しかし、経済的な問題を理由に従業員を解雇することはできません。
そのため、退職勧奨という形で退職を促します。こちらも、今後の会社が心配なのであれば転職エージェントに相談するのがおすすめです。
3.業務構造や組織の変更
業務構造や組織の変更に伴い、退職勧奨を行うこともあります。
たとえば、今まであった部門が閉鎖されることに。特定の分野で集められた従業員であれば、必要がなくなります。さらに、他の部署に回すとしても従業員の量が多くなりすぎることも。
そうなった場合、調整の一環として一部の従業に退職勧奨を行います。
4.能力不足
残念ですが、能力不足と判断されて退職勧奨をされることもあります。従業員のスキルや資格が仕事に適していない場合、会社は新たにスキルを持つ従業員を雇いたいです。
そのため、基準に達していない従業員に対して退職勧奨を行います。
退職をしたくない場合は、どうすれば良いのかや必要なスキルを確認してみましょう。改善ができるようなら、その旨を伝えましょう。また、異動届を出すのも1つの手段です。
5.問題を指摘されているのに改善しない
問題を指摘され続けていたのに改善しなくても、退職勧奨を受けます。経営状態などが原因で行うわけではないので、個別の従業員に対して行われます。
従業員の業務態度やパフォーマンスに問題があることが多いです。急に退職勧奨をされるわけではなく、以前から指摘を受けていたはず。
クビ一歩手前だと考えた方が良いでしょう。退職をしたくないのであれば、素早い改善が求められます。
【答え別】退職勧奨を受けた時の対処法
こちらでは、退職勧奨を受けた時の対処法を答え別で解説します。
- 退職をしたくない場合
- 退職勧奨を受け入れる場合
何度も繰り返しになりますが、退職勧奨に強制力はありません。会社を辞めるかどうかは、あなたが決められます。
1.退職をしたくない場合
退職勧奨はあくまでも退職をすすめるものです。労働者が退職したくないなら、拒否できます。
万が一、会社から何度も退職勧奨をされたり脅されたりしたら法律違反です。退職強要は違法であることを伝えましょう。
たとえば、
- 断っているのに何度もしつこく退職を迫られる
- 怒鳴られる
- 胸ぐらを掴まれて脅される
- 退職届にサインするまで解放してくれない
などは全て退職強要に当てはまります。
もし恐怖で退職届を提出しても大丈夫です。争うことができるからです。ただし、1人で会社を訴えるのは困難なので、労働トラブルに詳しい弁護士に相談しましょう。
2.退職勧奨を受け入れる場合
退職勧奨を受諾するには、会社に退職届を提出して退職金を受け取れば手続きが終わります。
まれに、会社から退職に関する合意書に署名押印を求められることが。その場合は、合意書に不利益な内容が含まれていないか確認しましょう。もし分からないことがあったら、その場で署名せず弁護士や労働組合に相談してから行いましょう。
退職が成立すると、会社から離職票や雇用保険受給者証などが送られてきます。これらの書類は失業保険の申請に必要なので、大切に保管してください。
退職勧奨を受けるメリット3選
退職勧奨を受けるメリットは大きく3つです。
- 失業保険の条件が有利になる
- 退職金を上乗せしてもらえるケースが多い
- 転職のチャンス
能力がないから退職勧奨をされたと悲観せず、メリットに目を向けてくださいね。スキルアップをできるチャンスです。
メリットを詳しく説明します。
1.失業保険の条件が有利になる
失業保険の条件が有利になります。失業保険の受給条件は、会社都合退職か自己都合退職かで大きく異なるからです。
会社都合とは、
- 解雇
- リストラ
- 倒産
など会社側の事情による退職です。退職勧奨で退職した場合は、会社都合退職に。
一方で、自己都合退職とは
- 転職
- キャリアアップ
- 留学
など、労働者側の事情による退職のことを指します。
繰り返しになりますが、退職勧奨で退職した場合は会社都合退職です。
会社都合退職と自己都合退職を比べると、
- 失業保険の受給期間
- 受給開始日
- 最大支給額
- 受給資格
に大きな違いがあります。
【失業保険 会社都合退職と自己都合退職の違い】
会社都合退職 | 自己都合退職 | |
最短支給開始日 | ハローワークへ申請してから7日後 | ハローワークへ申請してから7日と3か月後 |
給付日数 | 90日~330日 | 90日~150日 |
最大支給額 | 約260万円 | 約118万 |
支給条件 | 退職前1年間に6か月以上勤務 | 退職前2年間に12か月以上勤務 |
退職勧奨を受けて退職すると、自己都合退職よりも3か月も早く失業保険を受け取れる上、長期間受給できるメリットがあります。
その分最大受給金額も上がりますし、受給できる条件も自己都合退職より緩和されます。
2.退職金を上乗せしてもらえるケースが多い
退職勧奨を受けると、退職金の上乗せ交渉をしやすいメリットもあります。
退職勧奨されても、労働者が受け入れる義務はありません。
断れば、会社は労働者を解雇できないままです。会社がどうしてもやめさせたければ、多少退職金を上乗せしても退職勧奨を成功させたいと考えるでしょう。
よって退職勧奨の交渉中、労働者側から退職金の上乗せを提示すると会社側が応じるケースが少なくありません。
今の勤務先にさほどのこだわりがないなら、退職金を上乗せしてもらって退職し、次の職場を探しましょう。
3.転職のチャンス
転職のチャンスとも考えられます。理由は、退職金や失業保険の受給によって金銭的に余裕を持って転職活動ができるからです。
退職勧奨をされた理由が、スキルや能力の不一致であれば、自分の能力にあった職場を探すことでキャリアアップにも繋がります。スキルに合った仕事をすると、楽しいと感じることも多いです。
仕事ができないのはダメだからではありません。ただ、向いていないからです。自分に合った仕事探すチャンスだと思ってじっくり転職活動をしてください。
退職勧奨を受けるデメリット3選
退職勧奨を受け入れるデメリットもあります。
主なデメリットは3つです。
- 仕事と収入を失う
- 自己都合退職にされるケースがある
- 解雇予告手当をもらえない
メリットとデメリットを見比べて、退職勧奨を受けるべきか決めてください。
1.仕事と収入を失う
まず、退職すると職を失います。
定期収入が無くなって生活が苦しくなる可能性もあるので、資金計画を立てた上で退職するのがおすすめです。
会社に退職金規定があれば、納得できる金額の退職金を支給してもらいましょう。
2.自己都合退職にされるケースがある
退職勧奨を受けた場合でも、必ず会社都合退職にしてもらえるわけではありません。
会社が自己都合退職扱いにするケースも多々あります。その場合、そのまま失業保険の申請をすると自己都合退職扱いとなって給付時期が3か月延びる上、受給期間も短くされてしまいます。
もしも会社が勝手に自己都合退職扱いにしていたら、失業保険の申請時にハローワークで、退職勧奨を受けてやむなく退職した事実を申告しましょう。
3.解雇予告手当をもらえない
退職勧奨とはいっても、事実上の解雇であるケースも少なくありません。本来は解雇なのに退職勧奨による退職にされたら、解雇予告手当が支給されないデメリットもあります。
解雇予告手当とは、30日の余裕をもって解雇予告できなかったときに会社が支払わなければならない負担金です。
退職金ももらえず解雇予告手当ももらえず退職させられたら不利益しかないので、そういったケースでは退職勧奨を受けない方が良いでしょう。
退職勧奨をされたとき「会社都合退職」にしてもらう方法3選
退職勧奨で退職したのに、勝手に自己都合退職にして離職票を出すことがあります。その場合は、速やかにハローワークで会社都合退職に変えてもらいましょう。
変えてもらうためには以下の手順で対応してください。
- 離職票の退職理由を確認する
- 事業主からの働きかけによるものにチェック
- ハローワークに事情を説明し、証拠を提出する
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1.離職票の退職理由を確認する
ハローワークが会社都合退職か自己都合退職かを判断するときには、基本的に離職票の「離職理由」欄の記載内容を参照します。
離職理由が「労働者の判断によるもの」「労働者の個人的な事情による離職(一身上の都合、転職希望等)」であれば、自己都合退職と判断します。
一方「倒産」「事業主からの働きかけによるもの」「労働条件に重大な変更があった」などの事情であれば会社都合退職です。
退職後に離職票が届いたら、すでに会社がチェックしている離職理由を確認しましょう。「労働者の個人的な事情」にチェックが入っていたらそのままサインしてはいけません。
2.「事業主からの働きかけによるもの」にチェックする
会社が「労働者の個人的な事情」にチェックを入れている場合、離職票を作成するときに正しい離職理由である「事業主からの働きかけによるもの」にチェックをしましょう。「希望退職の募集または退職勧奨」を選び、退職勧奨の経緯や理由などを具体的に記入してください。
また離職票の右下の署名押印欄の近くに「事業主が〇をつけた離職理由に異議」という欄があります。「異議あり」の方にチェックをしてから、署名押印をしましょう。
3.ハローワークに事情を説明し、証拠を提出する
次に失業保険を申請するとき、ハローワークへ具体的な事情を話して相談しましょう。
退職勧奨を受けたのであれば基本的に会社都合退職にしてもらえますが、そのためには証拠が必要とされる可能性が。
- 会社から退職勧奨を受けたときに交付された書面
- 送られてきたメール
- 希望退職募集要項
- 退職届、
- 職願の写し
などを用意して持参しきましょう。
たとえば退職届の退職理由には「一身上の都合により」ではなく「会社側の退職勧奨により」と書いてある方が有利になります。退職勧奨を受ける場合には、退職届の書き方にも注意が必要です。
失業保険について困ったら専門家に相談しよう
退職勧奨を受けて退職した方が失業保険を申請するとき、知識がないために自己都合退職にされてしまうケースが少なくありません。
本当は会社都合退職として早期に失業保険を受け取れるのに自己都合退職とされたら大変な損失です。
失業保険についてよく分からない人や、手当を最大限に受給したい人には専門家によるサポートがおすすめです。社会保険給金サポートを行っている会社であれば、経験も十分にあるのでどうするのが1番良いかを明確にしてくれます。
まずは、気軽に相談してみてください。
離職票の退職理由は必ず確認して会社都合退職にしよう
離職票を受け取ったら、必ず退職理由を確認しましょう。繰り返しになりますが、会社都合退職か自己都合退職かによってもらえる失業保険は大きく異なります。
退職勧奨で退職したなら、会社都合退職です。
退職勧奨を受けて退職すると、自己都合退職よりも3か月も早く失業保険を受け取れる上、長期間受給できるメリットがあります。
退職勧奨で退職したのに、勝手に自己都合退職にして離職票を出すことがあります。その場合は、速やかにハローワークで会社都合退職に変えてもらいましょう。
自分で会社都合退職に変えてもらえるか不安な人は、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。