「退職給付金で200万円もらえる」といった広告や情報を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
大きな金額が提示されると魅力的に感じますが、同時に「本当にそんなにもらえるの？」「詐欺や怪しい話ではないの？」と不安に思う人も少なくありません。
実際、制度を正しく利用すれば200万円以上の給付を受け取れるケースもありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。
また、誤解を利用した誇大広告や詐欺まがいの勧誘もあるため注意が必要です。
この記事では、「退職給付金200万円」という表現の正体、詐欺や怪しい情報の見分け方、実際に200万円が可能なケースやそのからくり、注意すべきポイントについて、わかりやすく解説していきます。
目次
社会保険給付金アシストでは退職した後に
・ゆっくりしたいけどお金がない
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「退職給付金200万円」という言葉の正体
そもそも「退職給付金」とは、一般的な企業の退職金を指すものではありません。
退職後に受け取れる社会保険給付金である以下の2つをまとめて「退職給付金」と呼んでいます。
- 傷病手当金（健康保険から支給）
病気やケガで働けなくなった場合、給与の約3分の2が最長18か月間支給される制度。 - 失業保険（基本手当）（雇用保険から支給）
失業後の生活を支えるために、加入期間や退職理由に応じて90〜330日分が支給される制度。
「退職給付金200万円」というのは、この2つの制度を合算したときの目安額を指しているケースが多いのです。
より詳しく「もらえる条件・期間・手続きの流れ」を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
詐欺や怪しい情報に注意
「退職給付金200万円！」といった派手なキャッチコピーは、一見すると魅力的ですが、以下のようなリスクもあります。
- 必ずもらえると断定している広告：実際には条件によって変わるため、断定は不可能です。
- 根拠のない高額請求をする業者：相場とかけ離れた料金を提示してくる場合は要注意です。
- 給付金を装った詐欺：口座情報や個人情報を狙う詐欺メールや電話にも注意が必要です。
制度の仕組みを正しく理解していれば、怪しい情報に振り回されるリスクを大幅に減らせます。
200万円は本当に可能なのか？
実際に200万円以上を受給できるケースは存在します。
例えば以下のようなケースです。
- 例1：月給25万円で18か月間傷病手当金を受給
25万円 × 2/3 × 18か月 ≒ 約300万円
→ 傷病手当金だけで200万円を超える可能性あり。 - 例2：月給20万円で失業保険を150日分受給
日額 ≒ 6,000円 × 150日 ＝ 90万円
→ 傷病手当金と組み合わせれば200万円以上に到達。
つまり「200万円」という数字は誇大広告ではなく、条件が整えば現実的にあり得る金額です。
ただし、誰でも無条件で受給できるわけではありません。
「200万円のからくり」とは？
「200万円」という数字には以下のようなからくりがあります。
- 標準報酬月額による差：給付額は過去の給与水準に依存するため、収入が高いほど支給額も増える。
- 支給日数の違い：傷病手当金は最長18か月、失業保険は90〜330日と幅がある。
- 退職理由による違い：自己都合か会社都合かで、給付制限や支給日数が変わる。
このような仕組みを理解すれば、「200万円もらえる」という表現が誤解を招きやすい理由もわかります。
よくある誤解と注意点
「退職給付金200万円」という表現を聞くと、どうしても誤解を招きやすくなります。
ここでは特に多い誤解と、その正しい考え方を整理しておきましょう。
誰でも200万円もらえる？ → NO
退職給付金（傷病手当金＋失業保険）は、勤務期間・給与水準・退職理由・加入状況などによって受給額が大きく変わります。
200万円以上になるケースは確かにありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。
自分の条件に照らし合わせて見積もることが大切です。
200万円は詐欺なのか？ → NO
正しい制度を利用すれば、結果的に200万円以上の給付を受け取れるケースも存在します。
ただし「必ずもらえる」と断定して宣伝している広告やサービスは、誇大表現や怪しい勧誘である可能性が高いため、慎重に判断しましょう。
安全に確認するには？
受給できるかどうかを最も正確に知る方法は、ハローワークや健康保険組合に直接確認することです。
さらに不安がある場合は、社労士などの専門家に相談すれば安心して手続きを進められます。
誤解や過度な期待に振り回されず、まずは制度の仕組みと自分の状況を正しく把握することが、退職給付金を安心して受け取るための第一歩です。
申請の流れ
退職給付金を実際に受け取るためには、制度ごとに決められた申請手順を踏む必要があります。
ここでは「傷病手当金」と「失業保険」それぞれの大まかな流れを整理します。
傷病手当金
- 医師の診断書を取得：働けない状態を証明するために必須です。
- 健康保険組合に申請書を提出：診断書とあわせて提出し、審査を受けます。
- 勤務先に休職証明を依頼：勤務実態や給与の支払い状況を証明してもらいます。
詳しい手続きや必要書類については、こちらで詳しく解説しています。
失業保険
- 退職後、ハローワークで求職申込：失業認定を受けるために最初に行う手続きです。
- 雇用保険被保険者証・離職票を提出：退職や雇用保険加入の事実を証明するために必要です。
- 待期期間（7日＋給付制限）を経て受給開始：2025年4月以降は自己都合退職の給付制限は1か月となっています。
申請から受給までの詳細な流れはこちらの記事でご確認ください。
よくある質問（Q&A）
Q1. 退職給付金で本当に200万円もらえるのですか？
A. 条件を満たせば可能です。例えば月給20〜25万円程度で一定期間受給した場合、傷病手当金や失業保険を組み合わせると200万円以上になるケースがあります。ただし、勤務期間・退職理由・加入状況によって金額は大きく変わります。
Q2. 「退職給付金200万円！」という広告は詐欺や怪しい情報ですか？
A. 正しい制度を根拠にした説明であれば詐欺ではありません。ただし「誰でも必ず200万円もらえる」と断定している場合は誇大表現や怪しい情報の可能性が高いので注意が必要です。
Q3. 退職給付金200万円の“からくり”とは何ですか？
A. からくりは「傷病手当金」と「失業保険」の合計額にあります。標準報酬月額や支給日数によって給付額が変わるため、条件次第では200万円を超える一方、対象外や少額になる場合もあります。
Q4. 退職給付金200万円は誰でも受給できるのですか？
A. 誰でもではありません。社会保険や雇用保険に加入しているか、退職理由が自己都合か会社都合か、過去の勤務期間などによって受給額は大きく異なります。扶養内パートや正規公務員などは対象外になることもあります。
Q5. 退職給付金200万円をもらうために特別な申請が必要ですか？
A. 特別な制度があるわけではなく、通常の「傷病手当金」と「失業保険」の申請を正しく行うことで結果的に200万円以上になるケースがあります。ハローワークや健康保険組合での正規の手続きが必要です。
Q6. 怪しい業者に申し込まなくても200万円は受け取れるのですか？
A. はい。制度自体は公的なものであり、正しく申請すれば誰でも利用可能です。ただし手続きが複雑なため、不安があれば社労士や専門サービスに相談するのも一つの方法です。怪しい業者を避けるためには料金体系やサポート内容を必ず確認しましょう。
まとめ
「退職給付金200万円」という言葉は、派手な広告や怪しい勧誘に使われることが多い一方で、傷病手当金や失業保険といった公的制度を正しく活用すれば、実際に達成できる金額でもあります。
大切なのは、自分の勤務条件や加入保険を正しく理解し、公式の手続きを確実に行うことです。
社会保険給付金アシストでは、傷病手当金や失業保険の申請サポートを行っています。
受給できるかどうか不安な方は、まずはお気軽にご相談ください。
