失業保険受給前や受給中に引っ越しした場合の手続きと「移転費」を受取る方法

「退職したから、会社の寮から出ていかないといけなくなった」
「お金が心配だから、会社を辞めたら実家に戻ることにしよう」
「引っ越ししないといけなくなったんだけど、失業保険の申請はどうしたら良いの?」
と悩んでいませんか。

会社を退職すると、別の地域に引っ越しされる方も少なくありません。移住すると失業保険の手続きに影響が及ぶ可能性があるので注意しましょう。

失業保険申請前に引っ越しをするのか、失業保険受給中にするかによって手続きの方法が変わってきます。また、引っ越しにかかる移転費を雇用保険から受け取れるケースも。

こちらの記事では、

  • 失業保険申請前に引っ越しした場合
  • 申請後や受給中にしたケース
  • ベストな失業保険を申請するタイミング
  • 移転費をもらう条件

などを分かりやすく紹介します。退職と同時や失業保険受給開始後に引っ越しする方は、ぜひ参考にしてみてください。

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失業保険申請前に引っ越しした場合

引っ越しをする場合の失業保険の手続きは、失業保険申請前にするか申請後に手続きをするかによって変わってきます。

まずは申請前に引っ越しする際の手続きを確認しましょう。

1.ハローワークには管轄がある

ハローワークは全国にたくさんありますが、それぞれに管轄があります。

失業者の居住地域によって管轄が決まります。そのため、引っ越しで異なる地域に転居すると、管轄のハローワークが変更される可能性が。

引っ越しをしたら、新しい住所地を管轄するハローワークで手続きしなければなりません。

2.申請前に引っ越しした場合のハローワークの手続き

失業保険の申請前に引っ越しする場合、転居後の住所を管轄するハローワークで通常通りに手続きを行ってください転居前の住所を管轄するハローワークに行く必要はありません。

申請するときの注意は、住民票の移転です。ハローワークで失業保険を申請するときに、住民票が必要です。そのため、以前の住所のままだとスムーズに申請手続きを行えません。

ハローワークに失業保険を申請する前に、転出届と転入届を行なってくださいね

転出届と転入届を出す手順を簡単に説明します。まずは、引っ越し前の市町村役場で転出届を提出します。このとき、転出証明書が交付されるので大切に保管してください。転入届を出すときに必要です。

次に、転居近くの市町村役場で転入届を行います。

  • 転出証明書
  • 免許証
  • マイナンバー

などの書類が必要です。必ず、転出証明書と本人確認書類を持参してください。

転入届が受理されたら、新しい住所が記載された住民票が発行できます。

新しい住民票を発行したら、他の必要書類と一緒に失業保険申請時に提出しましょう。

失業保険申請後や受給中に引っ越しした場合

次に、引っ越し前の住所地で失業保険を申請した後や失業保険受給中に引っ越しする場合の手順を解説します。

この場合、引っ越し先の住所地を管轄するハローワークで住所変更の手続きをしなければなりません。

管轄のハローワークの場所を確認し、以下の書類をもって手続きに行きましょう。

  • 受給資格者住所変更届
  • 雇用保険受給資格者証
  • 失業認定申告書(求職活動の実績を記載)
  • 新住所が記載されている住民票、運転免許証

このように、引っ越し後に住所変更の手続を行う場合にも新しい住民票が必須となります。

ハローワークの手続きを行う前に、住民票の転出転入の手続きを終えておきましょう。

なお引っ越し前の住所のハローワークでは、特に何もする必要はありません。

失業保険受給中に引っ越しをする場合、以前のハローワークにおいて失業認定日が決まっている可能性があります。

予定されている失業認定日の直前に引っ越しする場合、前住居の管轄のハローワークで行われる面談に無断欠席しないように注意してください。

失業認定を受けないと、失業保険の受給を止められてしまう可能性があります。1回失業認定を飛ばすと、1ヶ月分の失業保険を不支給にされます。

その分受け取れる金額が減ってしまうので、必ず引っ越し前にハローワークへ連絡を入れて「失業認定日に来所するのが難しい」と相談してみてください。

きちんと相談をして指示されたとおりに手続きをすれば、無断欠席にはならず不認定による不支給を避けられます。

失業保険申請のタイミング・引っ越し前と後のどちらが有利?

引っ越し前に失業保険を申請するか、後に失業保険を申請するかタイミングに迷ってしまう方も少なくありません。

どちらが有利になるのでしょうか?

  1. 引っ越し前に手続きを行う方が安心
  2. 自己都合退職は引っ越し前に手続きを行うべき
  3. 引っ越し後に手続きを行うべきケースとは

の3つに分けて分かりやすく解説します。

1.引っ越し前に手続きを行う方が安心

基本的には、引っ越し前に失業保険の申請を行うようおすすめします

なぜなら失業保険には受給期間が設定されており、退職日から1年以内に全額を受給しなければならないためです。

引っ越しまでに時間がかかり、その後受給を開始して受給途中で1年が過ぎてしまったら、全額を受け取れないリスクが発生します。

2.自己都合退職は引っ越し前に手続きを行うべき

自己都合退職の場合、なおさら引っ越し前の住所で失業保険を申請する必要性が高くなります。

なぜなら自己都合退職の場合、7日間の待機期間の後「2ヶ月(または3ヶ月)の給付制限期間」を適用されるからです。早めに申請をしないと、その分どんどん受給開始が遅れてしまいます。

1日でも早く失業保険の受給を開始するためには、引っ越し前に申請をしていた方が有利です。

3.引っ越し後に手続きを行うべきケースとは?

ときには退職直後に引っ越しする必要があり、前の住所地でどうしても失業保険の手続きを行う余裕がない場合もあるでしょう。

そういったケースでは、引っ越し後にあらためてハローワークで申請してもかまいません。

その場合でも、なるべく速やかに手続を行うようにしてください。

失業保険から「引っ越しの移転費」をもらえるケース

失業保険の受給中に引っ越しする場合、雇用保険から移転費を支給してもらえる可能性があります

移転費とは、雇用保険の受給資格者が再就職したり職業訓練を受講したりするために引っ越しするとき、雇用保険から支給される手当です。

以下の6種類があります。

  • 電車代
  • 船賃
  • 飛行機代
  • 車代
  • 移転料
  • 着後手当

電車代、船代、飛行機代やバス代などについては、引っ越し前の住所から引っ越し先までの通常一般の経路や方法によってかかる運賃を支給されます。

移転料は、引っ越し前の住所から引っ越し先への距離や家族の随伴の有無によって計算されます。

雇用保険から引っ越しの移転費をもらえる条件8選

こちらでは、移転費を受給できる条件を8つ紹介します。

  1. 雇用保険の受給資格を満たしている
  2. 再就職または公共職業訓練を受ける
  3. ハローワークの審査で引っ越しが必要と認められる
  4. 往復の通勤時間が4時間以上
  5. 通勤に著しい障害がある
  6. 就職先の要求
  7. 就職先が引っ越しの費用を負担してくれない
  8. 再就職先に雇用期間が1年以上

1つずつ詳しく確認していきましょう。全て当てはまらないと受給できないわけではないので、安心してください。

1.雇用保険の受給資格を満たしている

移転費は雇用保険から支給される手当ですそのため、雇用保険の受給条件を満たしていなければ受け取れません。

基本的に失業保険(雇用保険の基本手当)を受給している方に受給資格が認められると考えましょう。

2.再就職が決まった、または公共職業訓練を受ける

失業保険受給中に、再就職が決まったら移転費を受給できる可能性があります。

また、ハローワークの指示した公共職業訓練を受ける場合も対象になります。

再就職も職業訓練も受けず、単に私的な理由で引っ越しする場合には移転費を受け取れません。

3.ハローワークの審査で引っ越しが必要と認められる

移転費を支給されるのは、ハローワークの審査で「就職や職業訓練の受講のため引っ越しが必要」と判断された場合のみです。

たとえば特定地方公共団体や職業紹介事業者の紹介で再就職が決まった場合、職業紹介証明書という書類を発行してもらいます。そして、ハローワークへ持参して移転費の申請を行う必要があります。

その後、ハローワークで引っ越しが必要と判断されれば移転費が支給されます。

4.往復の通勤時間が4時間以上

往復の通勤時間が4時間以上かかると、移転費を認めてもらいやすいです。

現住所から、就職先や公共訓練施設に通うのに往復で4時間以上かかると大変ですよね。月曜から金曜日まで最低でも2時間かけて行き、帰宅にも同じ時間がかかるのはストレスになります。

そのため、挫折して辞めたくなることも多いです。遅刻もしやすいです。

通勤時間が減ればその分自分に使える時間も増えます。

5.通勤に著しい障害がある

始発や終電の利用の利便性が低く、通勤に著しい障害がある場合も引っ越しの際に移転費をもらえる可能性があります。

  • 始発の時間が遅くて間に合わない
  • 終電が早くて自宅に帰れない
  • 車がないと通えない

など、通勤に障害があれば移転費を支給してもらいやすくなります。

6.就職先の要求

就職先の特殊性あるいは就業先の事業主の要求があり移転を余儀なくされた場合も、移転費をもらいやすいです。

たとえば、就職先の社長から早朝や深夜に事業所に来るように求められたり、近くに住むよう要求されたりして引っ越しが必要になったなのどです。

就職先が引っ越しの費用を負担してくれる場合は、移転費が支給されない可能性もあります。ハローワークに確認しましょう。

7.就職先が引っ越しの費用を負担してくれない

就職先が費用を負担してくれないが、引っ越さなくてはいけない場合も移転費を支給してもらいやすいです。

  • 今の住居からは通勤できない
  • 交通の便が悪く通勤に何時間もかかる
  • 終電が間に合わない

などが該当します。

ただし、就職先の会社が引っ越し費用を負担してくれると、移転費は支給されにくくなります。引っ越し費用満額に満たない場合、不足額を支給される可能性があります。

8.再就職先に雇用期間が1年以上

再就職先に雇用期間が1年以上と言われている場合も、移転費を支給できる可能性があります。

再就職先の雇用期間(予定)は1年以上でなければなりません。1年未満の限定的な雇用の場合、移転費支給の対象外となります。

支給対象者の拡大について

平成30年1月1日、制度改正により移転費の受給対象者が拡大されて多くの方が受給しやすくなりました。

変更点は、

  1. 再就職の方法
  2. 給付制限期間中でももらえるようになる

以下でどういった点が変更されたのか、みてみましょう。

1.再就職の方法

以前はハローワーク経由で再就職しないと、移転費を支給されませんでした

制度変更後は、特定地方公共団体や職業紹介事業者(民間事業者)の紹介によって再就職する場合でも、移転費の支給対象となります。

2.給付制限期間中でももらえるようになる

以前は、自己都合退職で2ヶ月の給付制限を受けている間は移転費が支給されませんでした制度変更により、その期間中であっても再就職や職業訓練の受給が決まったら移転費を支給してもらえるように。

なお雇用保険法の改正により、給付期間の長さも短縮されています。

令和2年10月1日以降に自己都合退職した方の場合、給付期間は基本的に2ヶ月に。ただし2ヶ月に短縮されるのは「5年のうち2回の退職まで」です。3回以上続けて退職したら3ヶ月の給付期間が適用されます。

また給付期間中でも移転費が支給されるのは、自己都合退職によって給付制限がかかるケースのみです。職業紹介を拒絶したなど、別の理由で給付制限を受けている場合には移転費の支給対象外となるので、注意しましょう。

移転費として支給される金額

次に移転費の金額を見てみましょう。移転費の種類によって計算方法が異なります。

  • 鉄道賃(電車代、新幹線代)
  • 船賃(フェリーや定期便などの船代)
  • 航空賃(飛行機代)
  • 車賃(タクシーやバスなどの料金)
  • 移転料
  • 着後手当

の6種類です。

  • 電車代
  • 船代
  • 飛行機代
  • バス代

などについては、引っ越し前の住所から引っ越し先までのかかる運賃を支給されます。

移転費は、引っ越し前の住所から引っ越し先への距離や家族の随伴の有無によって計算されます明確には発表されていませんが、目安は以下の通りです。

引っ越しに家族を伴う場合は、

  • 0km〜50km未満…9万円程度
  • 50〜100km未満…10万円程度
  • 100〜300km未満…13万円程度

です。家族を伴わない場合には、上記の半額程度となります。

着後手当の基準は以下の通りです。

家族を随伴する場合は、76,000円。ただし引っ越し前の住所から引っ越し先の住所までの距離が100km以上の場合、95,000円です。

一方で、家族を随伴しない場合は38,000円。ただし引っ越し前の住所から引っ越し先の住所までの距離が100km以上の場合、47,500円です。

移転費の申請方法

雇用保険から移転費を受取るには、引っ越し日の翌日から1ヶ月以内にハローワークで移転費支給申請をしなければなりません。申請しないと給付されないので、早めに手続を行いましょう。

また移転費を受け取ったら、再就職先の企業から「移転証明書」の交付を受けてハローワークへ提出する必要があります。早めに就職先に依頼して発行してもらいましょう。

移転費を返還しなければならないケース

移転費を受け取っても、以下のような場合には返還しなければならない可能性があるので注意してください。

  • すぐに再就職先の企業を退職してしまった
  • きちんと移転証明書を提出しなかった
  • 書類に不備があった
  • 指定された職業訓練をきちんと実行しなかった

移転費は、きちんと再就職して少なくとも1年以上は働く見込みのある方、真面目に職業訓練を受ける方に支給されるものです。

「受け取ったら終わり」ではなくその後しっかり働くか、あるいは職業訓練を受けてスキルを身につけましょう。

途中で投げ出すと返還しなければならない可能性が高くなります。

失業保険や移転費の申請は社会保険給付サポートへ相談を

会社の退職後に引っ越しをする場合、引っ越し前に失業保険を申請するか引っ越し後に申請するかで対処方法が異なってきます。

基本的には引っ越し前に申請したほうが有利になりやすいといえます。しかし、引っ越しが失業認定日の直前になる場合には無断欠席にならないよう注意しなければなりません。

また失業保険の受給中に再就職や職業訓練の受給が決まり、引っ越す場合には移転費を支給してもらえる可能性があります。要件に該当するなら、忘れずに申請しましょう。

失業保険にしても移転費にしても、申請手続きには膨大な書類や資料が必要でめんどうと感じる人も少なくありません。手間がかかるのでハードルが高く、申請せずに放置してしまう人も。確実に受取るには、プロにサポートしてもらうのがおすすめです。

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