うつ病で退職!失業保険と傷病手当金の違いや受給条件、受給方法をわかり易く解説!

うつ病で退職を余儀なくされたら、退職後の生活費が心配になるものです。

そんなとき「失業保険」や「傷病手当金」を受給できる可能性があるので、状況に応じて申請手続きを進めましょう。

実は失業保険と傷病手当金は、受給できる条件や申請方法がまったく異なります。

今回はうつ病で退職した後の失業保険や傷病手当金の受給方法を解説しますので、生活不安を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

1.失業保険と傷病手当金の基本知識

うつ病で退職した後に受給できるお金として「失業保険」と「傷病手当金」がありますが、これらはまったく異なる制度です。

まずはそれぞれの基本的な内容を確認しましょう。

1-1.失業保険とは

失業保険は「雇用保険」から支払われる基本手当です。

失業したけれども働く意欲と能力があり、実際に求職活動を続けている失業者へ支給されます。

受け取るには、一定期間以上雇用保険に加入していたなどの要件を満たす必要があります。

1-2.傷病手当金とは

傷病手当金は、病気やケガなどによって働けなくなった方へ健康保険から支給される手当です。失業中だけではなく在職中でも働けなくなって給料をもらっていなければ受給できる可能性があります。

傷病手当金を受給できるのは各種の健康保険組合や協会けんぽなどに加入している方で、支給期間は1年6ヶ月間とされています。

2.失業保険と傷病手当金の違い

以下で失業保険と傷病手当金の違いをみていきましょう。

2-1.申請先の違い

失業保険は雇用保険から支給される「基本手当」ですから、受け取るには雇用保険を管理する「ハローワーク」へ申請しなければなりません。

一方、傷病手当金は健康保険から支給されるお金なので申請先は健康保険組合となります。

2-2.受給条件の違い

失業保険と傷病手当金は「受給条件」も大きく異なります。

 

失業保険の場合

失業保険を受給するには、以下の条件を満たさねばなりません。

  • 退職している

失業保険は「失業者」へ給付されるお金なので、受け取るには失業中でなければなりません。

在職中には受け取れません。

  • 一定期間、雇用保険へ加入していた

基本的には退職前の2年間に12ヶ月以上、雇用保険へ加入していた必要があります。

ただし会社都合退職やうつ病などの病気による退職、育児や介護のための退職などの場合、退職前の1年間に6ヶ月以上雇用保険へ加入していれば要件を満たします。

  • 働く意思と能力があり、現実に就職活動を継続している

失業保険を受け取るには、本人に働く意思と能力があって現実に求職活動を行っていなければなりません。

うつ病の状態がひどく働けない状態になっていたら失業保険はもらえないので注意しましょう。

傷病手当金の場合

健康保険から傷病手当金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 業務とは無関係な病気やケガによって働けない状態になっている

仕事とは関係のない事情による病気やケガで「働けない状態」になっていることが要件となります。業務に起因するケガや病気の場合には「労災保険」が適用されるため、健康保険からの傷病手当金は支給されません。

また「働ける状態」であれば傷病手当金の適用対象外です。働けるなら傷病手当金ではなく失業保険を申請しましょう。

  • 4日以上休職している

健康保険から傷病手当金を受け取るには、傷病によって「4日以上休職」しなければなりません。3日で復帰した場合には手当を受け取れないので注意しましょう。

  • 給与が支払われていない

傷病手当金は「給料が支払われていない」場合に支給されます。会社の福利厚生制度などによって休職中も給料が支払われていたら、傷病手当金は支給されません。

  • 退職していなくても受け取れる

健康保険の傷病手当金は失業保険と異なり、退職していなくても(在職中でも)受け取れます。むしろ在職中に受け取るのが基本であり、退職後に受け取るためには「退職日現在において」受給条件を満たしている必要があります。

2-3.受給期間や金額の違い

失業保険と傷病手当金は、受給期間や支給金額においても違いがあります。

失業保険の受給期間、金額

失業保険の場合には、自己都合退職と会社都合退職とで受給期間と支給金額が異なります。

自己都合退職であれば基本的に90~150日会社都合退職なら基本的に90~330日になります(ただし現在はコロナ特例により、受給期間が延長される可能性があります)。

また途中で就職すると打ち切られます。

受給金額は年齢や給与の金額によって大きく異なり、基礎賃金額の45~80%程度となっています。

傷病手当金の受給期間、金額

傷病手当金の場合、受給期間は最長で1年6ヶ月となります。ただし途中で働ける状態になれば打ち切られます。受給できる金額は、基礎賃金額の3分の2程度です。

3.失業保険と傷病手当金はどちらかしかもらえない

失業保険と傷病手当金が異なる制度であれば、うつ病による退職後に「どちらももらえるのでは?」と考える方もおられるでしょう。

しかしこれらの同時受給はできません。傷病手当金を受給している限り、失業保険はもらえないと考えましょう。

そもそも傷病手当金は「働けない状態の方に支給されるお金」であり、失業保険は「働く意欲と能力のある方に支給されるお金」です。同時にこれら2つの要件を満たすことはありえません。

4.うつ病で退職後に傷病手当金を受け取るための要件

うつ病で「退職後」に傷病手当金を受け取るには以下の要件を満たす必要があります。

4-1.資格喪失日の前日(退職日)までに、1年以上継続して健康保険に加入していた

退職後に継続して傷病手当金を受け取るには、1年以上の健康保険への加入期間が求められます。会社での勤務期間が1年未満の方は傷病手当金を受け取れない可能性が高いので注意してください。

4-2.資格喪失時に傷病手当金を受給していた、または受給条件を満たしていた

退職日に傷病手当金を受給していれば、退職後も引き続いて受給できる可能性があります。そうでない場合、資格喪失日(退職日)に受給条件を満たしていた事実を後から証明しなければなりません。医師に診断書を書いてもらう必要があるため、在職時に通院していなければ傷病手当金の受給が難しくなります。

4-3.うつ病が再発した場合

以前に傷病手当金を受給していても、状態が良くなったらいったん打ち切るのが通常です。

その後再発してしまったらどうすればよいのでしょうか?

症状の再発によって労務が困難となれば再受給も可能です。ただし再受給の場合、「当初の受給開始日から1年6ヶ月間」のみの給付となります。

5.傷病手当金と失業保険を受け取る順序は?

うつ病によって退職するとき、傷病手当金と失業保険のどちらを受け取ればよいかわからない方もおられるでしょう。

以下でパターン別にベストな受け取り方を解説しますので、参考にしてみてください。

5-1.うつ病がひどくて退職時に働けない場合

退職時、うつ状態がひどく働けない状態ならまずは健康保険から「傷病手当金」を受け取りましょう。その後、状態が改善して働ける状態になれば、傷病手当金の受給を終了して失業保険の申請をしてください。

ただし失業保険の受給期間は、基本的に「退職後1年以内」とされています。傷病手当金の受給期間が長くなると、失業保険の受給中に1年を過ぎてしまうかもしれません。

退職後にすぐに失業保険を受け取らない場合には、「失業保険の受給延長」の手続きを行いましょう。認められれば状況に応じて最長3年間まで失業保険の受給可能期間を延ばしてもらえます。

5-2.退職後すぐに働ける場合

幸いにもうつ病の状態が軽く、失業後すぐに働けそうであれば求職活動をしながら失業保険を受け取りましょう。

傷病手当金の支給対象にはなりません。

6.うつ病になったときに失業保険をすぐに満額もらう方法

うつ病で退職して失業保険の受給を申請するとき、対処方法によって受給開始時期や受給できる金額が大きく異なってくる可能性があります。

不用意な対応をすると、支給開始期間を2ヶ月も先にされた上、受給できる期間や金額を大幅に減らされてしまうので注意しましょう。

以下で「うつ病で退職した場合に失業保険を最短で満額もらう方法」をご紹介しますので、必ずチェックしてください。

6-1.自己都合退職になると不利になる

うつ病で退職したら、自己都合退職になるか会社都合退職になるかが重要です。

自己都合退職になった場合、失業保険の受給開始時期を2ヶ月間も延長されてしまいます。

失業保険ではすべてのケースにおいて申請後7日間の「待機期間」が適用されますが、その後は自己都合退職か会社都合退職かで支給開始時期が異なります。

会社都合退職なら7日間の待期期間後すぐに支給が開始されますが、自己都合退職の場合にはさらに2ヶ月間の給付制限期間が適用されてしまうのです。

従業員が退職すると会社はハローワークへ届け出をしますが、このとき「自己都合退職」としてしまうケースが少なくありません。そうなったら、その従業員は2ヶ月経たないと失業保険をもらえない可能性が高まります。

また自己都合退職になると、受給日数も短くなり総支給額も大きく減額されてしまいます。

うつ病で退職したのに「自己都合退職」と報告されたら、従業員が自らハローワークへ申請することによって会社都合退職にしてもらえる可能性があります。

以下でどういった場合なのかみてみましょう。

6-2.うつ病で「会社都合退職」になるケース

以下のような場合であれば、うつ病による退職が会社都合退職になります。

  • パワハラによってうつ病になった
  • 退職勧奨を受けた
  • 長時間労働でうつ病になった

上記のような事情があれば、証明する資料をもってハローワークへ行きましょう。

たとえば上司から届いたメールや指示書、シフト表、営業日報の写し、給与明細書、退職勧告の通知書や録音データなどが証拠となります。

6-3.「特定理由離職者」にしてもらう

うつ病で離職した場合、会社都合退職でなくても給付制限期間を適用されない可能性があります。傷病による離職者は「特定理由離職者」となるためです。

特定理由離職者扱いになると、自己都合退職であっても2ヶ月の給付制限が適用されず、給付日数も会社都合退職と同じになります。

特定理由離職者であることを証明するには、医師の作成した診断書などの医療記録が必要です。

うつ病で退職したとき、ハローワークで自己都合退職扱いされそうなら「実はうつ病によって退職したので特定理由離職者になります」と伝え相談してみてください。

そのまま受け入れると2ヶ月も待たねばならず金額も大きく減らされるので、納得してはなりません。わからないことがあったら社労士や社会保険給付サポート会社などに相談しましょう。

7.うつ病になったときの失業保険の申請方法

うつ病で退職して失業保険を申請するときには、以下の流れで手続きを進めてください。

7-1.会社から離職票と雇用保険受給者証を受け取る

まずは退職した会社から「離職票」を発行してもらいましょう。

退職後10日程度が経過しても離職票を発行してもらえない場合、問い合わせてみてください。

7-2.管轄のハローワークへ申請する

離職票を受け取ったら、管轄のハローワークへ失業保険の申請を行います。以下の書類を用意しましょう。

  • 離職票
  • 免許証などの本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 写真(3センチ×2.5センチ)
  • 印鑑
  • 振込先の預金通帳やキャッシュカード

7-3.雇用保険説明会へ参加する

ハローワークへ申請すると、雇用保険説明会を案内されるので、出席しましょう。

現在はコロナの影響によりオンラインで説明会が開催されるハローワークもあります。

参加すると雇用保険受給者証が交付されます。

7-4.失業認定を受ける

ハローワークで指定された日に面談を行い「失業認定」を受けます。

失業認定されないと失業保険は給付されないので、必ず指定された日に出席してください。

また失業認定を受けるには、求職活動を継続している必要があります。

失業認定日までに、求人に応募したりハローワークへ職業相談に行ったり講習やセミナーを受講したりして、就職活動をしておきましょう。

その後は就職が決まるまで4週間に一度、失業認定を受け続ける必要があります。

7-5.受給開始

失業認定を受けられたら失業保険の受給を開始できます。

8.うつ病になったときの傷病手当金受給方法

うつ病になって健康保険組合へ傷病手当金を申請するには、以下のように手続きを進めましょう。

8-1.健康保険組合へ連絡して申請書類をもらう

まずは健康保険組合へ連絡して申請用の書類をもらいましょう。在職中の場合、会社に相談すれば書類を渡してもらえるのが通常です。

8-2.会社、医師に書類を作成してもらう

傷病手当金をもらうには、会社や医師に書類を作成してもらわねばなりません。

申請用紙の2枚目と3枚目は会社が作成、4枚目は医師が作成します。

お願いしてもすぐに記入してもらえるとは限らないので、早めに依頼しましょう。

8-3.申請書類を作成する

申請用紙の1枚目は組合員本人が作成します。

8-4.健康保険組合へ申請書類を提出する

書類がそろったら健康保険組合へ提出しましょう。在職中の場合、会社に渡せば対応してもらえます。

その後審査が行われ、通れば傷病手当金の支給が開始されます。

9.社会保険の申請は社会保険給付金サポートへぜひご相談を!

うつ病になったときに利用できる社会保険制度はとても複雑です。自分ではどこに何を申請すればよいかわからない方も多いでしょう。

失業保険を受給するときに「自己都合退職」にされると、2ヶ月の給付制限が適用されて受給金額を大きく減らされるなどの不利益も発生します。

そんな状況を回避するために、社会保険を申請するときには、ぜひ弊社までご相談ください。弊社は何千件も給付金サポートを行ってきた実績がございますので、状況に応じたベストなアドバイスを致します。

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