失業保険受給前や受給中に引っ越しした場合の手続きと「移転費」を受け取る方法

「退職したら会社の寮を出なきゃいけない」
「実家に戻ることにした」
「引っ越す予定だけど、失業保険ってどうなるんだろう…」

そんな不安を感じていませんか?

退職にあわせて引っ越しをする方は少なくありませんが、タイミングを間違えると手続きが遅れたり、給付が止まってしまうこともあります
実は、失業保険の申請前に引っ越すか、受給中に引っ越すかによって、必要な手続きがまったく変わるんです。

さらに、再就職や職業訓練のために転居する場合には、雇用保険から「移転費(いわゆる引っ越し手当)」が支給されるケースもあります。

この記事では、

  • 申請前と申請後(受給中)それぞれの手続きの流れ
  • 給付制限が「1か月」に短縮された2025年最新ルール
  • 雇用保険の「移転費」をもらうための条件と申請のコツ

をわかりやすく解説します。

「退職と引っ越しが重なって手続きが不安」という方は、この記事を読めばスムーズに準備が進められます。

失業保険の申請方法はこちらの記事を参考にしてください。

【2025年最新版】失業保険のすべて|誰でもわかる申請から受給・延長・副業・再就職まで完全ガイド

※本記事は、雇用保険や社会保険制度に精通した編集チームが、厚生労働省・ハローワーク等の公的情報をもとに、最新法改正を反映して作成しています。

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引っ越し前に失業保険を申請する場合

退職後に引っ越しを予定している場合、「失業保険の申請を引っ越し前にするか、後にするか」で、手続き先が変わります。
まずは「申請前に引っ越しするケース」で必要な流れを見ていきましょう。

ハローワークには管轄がある

ハローワークは全国にありますが、それぞれ担当(管轄)する地域が決まっています。
失業保険の申請は、原則として今住んでいる住所地を管轄するハローワークで行う決まりです。
そのため、引っ越しによって住所が変わると、担当するハローワークも自動的に変わります。

例:大阪市から京都市に転居する場合
「ハローワーク大阪東」ではなく「ハローワーク京都七条」など、新住所地のハローワークで申請。

管轄先は「〇〇市 ハローワーク」と検索すればすぐに確認できます。
申請の混乱を防ぐためにも、引っ越し前にどこのハローワークが担当になるのかを必ず調べておきましょう。

詳細は、ハローワークインターネットサービス「雇用保険の手続き」をご確認ください。

申請前に引っ越す場合の手続き方法

失業保険の申請前に引っ越しをする場合は、転居後の新しい住所地を管轄するハローワークで通常どおり手続きを行います。
転居前のハローワークでの手続きは不要です。

ただし、注意すべきは住民票の移転手続きです。
旧住所のままでは申請がスムーズに進まない場合があります。
必ずハローワークに行く前に転出届と転入届を済ませておきましょう。

転出届・転入届の出し方

  1. 引っ越し前の市区町村役場で「転出届」を提出します。
    このとき交付される転出証明書は、転入時に必要なので大切に保管してください。
  2. 新しい住所地の市区町村役場で「転入届」を提出します。
    以下のものを持参してください。
    ・転出証明書
    ・マイナンバーカードまたは本人確認書類
  3. 転入届が受理されると、新住所の記載された住民票を発行できます。

この新しい住民票は、失業保険の申請書類と一緒に提出します。
申請・認定・雇用保険説明会などの案内もすべて新住所地のハローワーク基準で行われるため、生活動線と合わせて準備を進めておくと安心です。

受給中・申請後に引っ越しする場合の手続き

退職後にすでに失業保険の申請を済ませている、または受給中に引っ越す場合は、旧住所地のハローワークと新住所地のハローワークの両方で対応が必要になります。
流れを理解しておくことで、給付の遅れやトラブルを防ぐことができます。

引っ越し前のハローワークでやること

基本的には、引っ越し前のハローワークで特別な手続きは不要です。

ただし、認定日(失業保険の支給可否を判断する日)が近い場合は要注意です。

もし引っ越しが認定日前後に重なる場合、

  • 認定日に出席できない
  • 失業認定申告書を提出できない

といった状況になるおそれがあります。

認定日に行けないまま無断欠席になると、その回の給付が止まる可能性もあります。
そのため、引っ越しが決まった時点で、必ずハローワークへ連絡し、「いつ引っ越す予定か」「認定日に行けそうか」を相談しておきましょう。

ハローワークでは、認定日を前倒し・延期するなど、状況に応じた案内をしてもらえます。

引っ越し後のハローワークでやること

転居後は、新住所地を管轄するハローワーク住所変更の手続きを行います。

まずは「○○市 ハローワーク」で検索し、新しい管轄先を確認しましょう。

窓口に行く際には、以下の書類を持参します。

  • 雇用保険受給資格者証(旧住所地のハローワークで発行されたもの)
  • 失業認定申告書(手元にある場合)
  • 新住所の記載された住民票
  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)

「受給資格者住所変更届」などの様式は、新しいハローワークにも用意されているため、あらかじめ印刷していく必要はありません。

また、手続き前には必ず住民票の転出・転入手続きを完了させておきましょう。
旧住所のままだと、新しいハローワークで住所変更を受け付けてもらえない場合があります。

認定日の扱いについて

引っ越しのタイミングが認定日と重なる場合、やむを得ない事由(引っ越し・通院・災害など)があれば、認定日の変更や事後認定が認められるケースがあります。

ただし、必ず事前に連絡しておくことが前提です。
引っ越し日・移動手段・到着予定日などを伝えると、柔軟に対応してもらいやすくなります。

無断で欠席すると、給付の遅れや不支給になるリスクが高いので注意しましょう。

住所変更の届け出期限

住所変更の提出に厳密な期限はありませんが、原則として引っ越し後1週間以内を目安に届け出ましょう。
遅れると、次回の認定日に間に合わず、給付が一時的に止まることもあります。

早めに新しいハローワークで手続きを行えば、次回以降の認定や説明会の案内もスムーズに受けられます。

社宅や寮に住んでいると退職後どうなる?突然の退去に備えるためにできることとは?

どちらが有利? 引っ越し前・後の申請タイミング

退職と同時に引っ越しを予定している方の中には、「引っ越す前に申請した方がいいのか?それとも落ち着いてからでいいのか?」と迷う方も多いでしょう。

結論から言うと、基本的には引っ越し前に申請しておく方が圧倒的に有利です。
ただし、事情によっては転居後に申請した方がスムーズなケースもあります。
それぞれのメリット・注意点を順に見ていきましょう。

① 引っ越し前に申請する方が安心で有利

失業保険には「受給期間(原則1年間)」が定められています。
つまり、退職した翌日から1年以内に手続きをして、全額を受け取り終えなければなりません。

もし「引っ越しの準備が落ち着いたら申請しよう」と先延ばしにすると、その間にも受給期間がどんどん消費され、結果的にもらえる給付金の総額が減ってしまう可能性があります。

そのため、特別な事情がなければ引っ越し前にハローワークで申請を済ませておくのがおすすめです。

参考:厚生労働省|雇用保険の基本手当

② 自己都合退職の場合は特に早めの申請が重要

2025年4月以降、自己都合退職の給付制限は原則1か月に短縮されました(従来は3か月)。
とはいえ、「退職翌日から7日間の待機期間」+「1か月の給付制限」があるため、早く申請すればするほど、受給開始日が前倒しになるメリットがあります。

たとえば、退職してから2週間後に申請するのと、1か月後に申請するのとでは、実際に給付が始まるタイミングが最大で半月〜1か月近くズレることもあります。

つまり、自己都合退職の場合は特に、
引っ越し前に申請を済ませておく方が確実で損をしにくいといえるでしょう。

③ 引っ越し後に申請した方が良いケースもある

一方で、退職直後に急な引っ越しが決まっていたり、前の住所地での手続きに行く時間がどうしても取れない場合もあります。

そのようなケースでは、無理に旧住所で申請するよりも、転居後に新住所地のハローワークで申請した方が安全です。

申請の際は、必ず以下の点を確認しましょう。

  • 住民票を新住所に移してから手続きする
  • 転出・転入届の控え(転出証明書)を忘れずに持参
  • ハローワーク説明会や認定日の日程を早めに調整しておく

特に、引っ越しの直後は荷物整理や住所変更手続きでバタバタしがちなので、ハローワークの窓口に行ける日を早めに予約しておくと安心です。

失業保険の申請期限はいつまで?手続きが遅れた場合の対処法も解説

移転費とは? 雇用保険から「引っ越し費用」が支給されるケース

退職後の引っ越しでは、雇用保険から「移転費(いてんひ)」という手当が支給されることがあります。
あまり知られていませんが、就職や公共職業訓練のために引っ越しが必要と認められた場合、国(ハローワーク)から引っ越しにかかった費用の一部をサポートしてもらえる制度です。

移転費の基本的な仕組み

移転費は、雇用保険の受給資格者(基本手当を受けている人)が、次のような事情で転居を伴う必要がある場合に支給されます。

  • 就職が決まり、勤務先が遠方のため通勤が困難な場合
  • 公共職業訓練(ハローワーク指示の訓練)を受けるために引っ越す場合
  • ハローワーク所長が「転居が必要」と判断した場合

つまり、「私的な理由での引っ越し」では対象外です。
ハローワークの紹介・指示を受けた就職・訓練が前提となります。

参照:厚生労働省|「広域求職活動費」 と 「移転費」 のご案内

雇用保険の給付は4種類!給付金と受給条件を解説

移転費はいくら支給されるの?金額の目安と内訳

「移転費って、どれくらいもらえるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
実際の支給額は、移動距離や家族の有無、交通手段、引っ越しにかかった実費などによって変わります。
ここでは、ハローワークの運用基準をもとにしたおおよその目安を紹介します。

支給される主な費用項目

移転費として支給される費用は、実際の交通費や運搬費など、次の6項目です。
(※金額は距離・人数・実費により異なります)

項目 内容
鉄道賃 電車・新幹線など公共交通機関の運賃
船賃 フェリーなどの海上交通費
航空賃 飛行機利用の費用
車賃 バスやタクシーなど陸路での運送費
移転料 家財道具の運送・引っ越し作業などにかかる費用
着後手当 新しい居住地での初期生活費にあたる一時金(距離と家族の有無で金額が変動)

移転費は“見込み額”ではなく実際に発生した費用をもとに算定されます。
領収書や交通費の明細など、証明できる書類をきちんと保管しておくことが重要です。

距離と家族帯同による金額の目安

実際の金額は明確に「全国共通」で定められているわけではありませんが、厚生労働省の運用例では、おおむね次のような水準が想定されています。

移動距離 家族帯同あり 単身(家族帯同なし)
0〜50km未満 約9万円前後 約4〜5万円前後
50〜100km未満 約10万円前後 約5万円前後
100〜300km未満 約13万円前後 約6〜7万円前後

さらに、着後手当として次のような一時金が上乗せされることもあります。

帯同状況 100km未満 100km以上
家族を伴う場合 約76,000円 約95,000円
単身で引っ越す場合 約38,000円 約47,500円

※上記はあくまで過去の運用実績をもとにした目安であり、実際の支給額は地域や実費により異なります。
正確な金額は、申請時にハローワークで算定されます。

支給額を増やすポイント

  • 引っ越し業者の領収書・明細を保管しておく(見積書だけではNG)
  • 交通費・高速代・フェリー代などの領収証をすべてまとめて提出
  • 家族帯同や長距離移動の場合は、移転料・着後手当の対象となる可能性を必ず相談

雇用保険の移転費は「予算型の補助金」ではなく、「再就職のための必要経費支給」なので、根拠資料の提出が命です。
領収書を紛失した場合は、支給額が減額されることもあります。

移転費の主な支給要件

移転費は、雇用保険から支給される「就職支援のための手当」です。
そのため、まずは雇用保険(=失業保険)の受給資格を満たしていなければ申請できません。

雇用保険の受給条件については、こちらの記事で詳しく解説しています。

雇用保険の給付は4種類!給付金と受給条件を解説

そのうえで、次の条件をすべて、またはいずれか満たしている必要があります。

  • 雇用保険の受給資格者である
  • ハローワークの紹介や指示に基づく就職または職業訓練である
  • 現住所から通勤が困難(往復4時間以上)または通勤に著しい障害がある
  • 事業主の要請により転居を余儀なくされた
  • 就職先が引っ越し費用を負担していない
  • 就職先の雇用期間が1年以上見込まれている

これらの要件を満たしていると、ハローワーク所長の判断により支給が決定されます。

対象外となるケース(注意点)

以下のようなケースでは、移転費は支給されません。

  • 「実家に戻る」「家賃を下げたい」など、私的な理由による引っ越し
  • ハローワークを経由せず自分で見つけた求人(紹介証明がない場合)
  • 雇用期間が1年未満の短期雇用
  • 就職先が引っ越し費用を全額負担している場合

また、支給後すぐに離職した場合や、必要書類を提出しなかった場合には、返還を求められることもあります。

申請のタイミングと必要書類

移転費は、引っ越し日の翌日から1か月以内にハローワークへ申請します。
申請に必要な主な書類は次の通りです。

  • 移転費支給申請書(ハローワーク様式)
  • 職業紹介証明書(ハローワークで発行)
  • 交通費・運送費などの領収書
  • 転居の事実がわかる書類(新住所の住民票など)
  • 就職先の移転証明書(支給後の提出を求められることもあり)

申請期限を過ぎると支給対象外になるため、引っ越し直後に相談・申請するのが鉄則です。

根拠資料:厚生労働省|雇用保険業務取扱要領(移転費)

よくある質問(Q&A)

Q1. 認定日に引っ越しが重なって行けないときは?
引っ越しなどやむを得ない事情がある場合は、認定日の変更や事後認定といった対応を受けられることがあります。
行けないと分かった時点で、必ずハローワークに連絡し、指示を仰ぎましょう。
無断欠席すると、その期間の給付が受けられなくなるおそれがあります。
出典:厚生労働省|雇用保険制度のご案内

Q2. 転居でハローワークの管轄はどうなる?
ハローワークは地域ごとに管轄が決まっており、住所地によって担当先が変わります。
申請前に引っ越す場合は、新住所地のハローワークで申請。
受給中の転居なら、住所変更の手続きを行い、以降の認定も新しいハローワークで受けます。

Q3. 受給期間はいつまで?
失業保険の受給期間は、離職日の翌日から1年間です。
この期間を過ぎると、日数が残っていても受給できません。
やむを得ない理由(病気・出産・介護など)がある場合は、期間の延長申請も可能です。

失業保険の受給期限は延長できる!条件と方法について徹底解説

まとめ:引っ越し前後の手続きを早めに済ませて安心を

引っ越しを伴う退職では、手続きのタイミングひとつで受給額や開始時期が変わることがあります。
基本的には「引っ越し前の申請」が有利ですが、事情によっては「引っ越し後の申請」が適切な場合もあります。
大切なのは、迷ったときに早めに相談することです。

社会保険給付金アシストでは、失業保険をできるだけ多く・早く受け取るためのサポートを行っています。
また、引っ越しを予定している方や、どのタイミングで申請すればいいか迷っている方のご相談も可能です。

  • 申請前に何を準備すべきか
  • 移転費の対象になるかどうか
  • 給付を減らさずに手続きを進める方法

こうした疑問を、専門知識を持つスタッフが一人ひとりに合わせて丁寧にサポートいたします。

「自分のケースではどうなるのか?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
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