失業保険の不正受給の5パターンを紹介!不正受給をした場合のリスクについても徹底解説

「失業保険はどんなときに不正受給になる?」
「どんなペナルティがあるのだろうか?」
「知らずに不正になってしまわないか不安」

こうした悩みを抱えていませんか?

失業保険は正しく申請すれば誰でも受けられる大切な支援制度ですが、条件を満たさずに受け取ったり、申告を怠ると “不正受給” とみなされ、重いペナルティを受ける可能性があります。

この記事では、不正受給になりやすい具体例から、発覚後のリスク、気づいてしまった際の正しい対処法まで分かりやすく解説します。

失業保険の仕組み全体を先に把握しておきたい人は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

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※本記事は、雇用保険や社会保険給付に詳しい編集チームが、厚生労働省・ハローワーク・協会けんぽなどの公的情報を参照し、日々の給付金サポートで得た実務知識をもとに作成しています。

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失業保険の不正受給とは

失業保険の“不正受給”とは、本来は受給資格のない人が、不正な手段を使って失業手当を受け取ることを指します。
金額の大小にかかわらず、ルールに反した受給はすべて不正として扱われます。

失業保険を受給するための基本条件

失業保険を受け取るには、次の3つをすべて満たす必要があります。

  • ハローワークで求職申込みをしていること
  • 就職できる能力と意思があること
  • 離職前2年間に「被保険者期間」が通算12ヶ月以上あること

さらに、「いつでも働ける状態」であることも必須条件です。
そのため、病気・ケガ・出産などで就労できない期間は失業保険の対象外となります。

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“受け取ったかどうか”は関係ない点に注意

不正受給は、実際に給付金を受け取ったかどうかではなく、受給しようとした行為そのものが問題になります。

大阪労働局も次のように明言しています。

”実際に受給したかどうかに関係なく、不正な手段で失業給付を受給しようとした時点で不正受給に該当する。”

参照:大阪労働局「不正受給について(事例等)」

つまり、「申告し忘れた」「このくらい大丈夫だと思った」などの軽い判断でも、不正とみなされる可能性があるため注意が必要です。

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不正受給になりやすい5つのケース

失業保険は正しく申告すれば問題なく受け取れる制度ですが、ちょっとした誤解や申告漏れによって“不正受給”と判断されるケースが多くあります。

ここでは、特に注意すべき5つの典型例を分かりやすく解説します。

参照:ハローワークインターネットサービス「不正受給の典型例」

① 働いているのに申告していない

もっとも多い不正受給が「就労したのに申告していない」ケースです。
パート・アルバイト・短期バイト・日雇い・手伝いなど、名称は関係ありません。実際に働いた事実が重要です。

労働時間による扱いは以下のとおり

  • 4時間未満の就労
    → 内職・手伝い扱いとなり、失業手当が「減額」される可能性あり
  • 4時間以上の就労
    → その日は失業手当の対象外
  • 週20時間以上の継続勤務
    → “就職”と判断され、受給そのものができなくなる

失業保険中は「少し働くだけだから大丈夫」と思い込みがちですが、労働時間の申告は必須です。

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② 傷病手当金や労災の休業補償を申告せずに受給している

健康保険の 傷病手当金 や、労災保険の 休業補償給付 は、「働けない状態(就労不能)」であることを前提とした給付です。
一方、失業保険(基本手当)は「すぐ働ける状態」が条件となっており、両者は原則同時に成立しません。

そのため、傷病手当金や休業補償給付を受けているのに申告せず、失業保険も受け取る行為は、不正受給と判断されることがあります。

これらは立て付けそのものが「働けない状態」を前提としているため、受給している場合は 必ずハローワークへ申告 し、どの給付を優先するべきか確認する必要があります。

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③ 書類を偽造して受給する

明確な不正として扱われる重大ケースです。

代表例

  • 離職票の出勤日数を水増し
  • 実際の賃金より高く記入する
  • 自己都合退職を“会社都合”と偽る
  • 他人になりすまして受給する

これらはすべて悪質と判断され、詐欺罪に発展する可能性もあります。

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④ 就職できない状態なのに申告しない

失業保険は「いつでも働ける状態」が必須条件です。

しかし、以下のような状態で申告しないまま受給を続けると、不正受給になります。

  • うつ病や適応障害で働けない
  • ケガで長期療養が必要
  • 出産後すぐで働けない

このような場合は、傷病手当金など別の制度に切り替える必要があります。

「失業保険のままの方が得だから…」と考えて申告しないのは、最もリスクが高い行為です。

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⑤ 会社役員・非常勤嘱託・個人事業主になったのに申告しない

会社役員に就任した時点で “就職” とみなされ、失業保険は受け取れません。
また、フリーランス・個人事業主の場合は、収入の有無ではなく“事業を開始したかどうか”で判断されます。

よくある誤解

  • 「まだ売上ないから大丈夫」 → ダメ
  • 「準備中だから申告不要」 → 準備段階でも申告が必要

小さな仕事でも失業状態ではなくなるため、必ずハローワークに報告しましょう。

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不正受給をした場合のペナルティ6つ

失業保険の不正受給は、想像以上に処分が重く、発覚後のリスクも非常に大きいものです。
ハローワークは雇用保険・税務データ・事業主の届出・年金機構のデータなど複数の情報を照合しているため、「バレない」は成立しません。

ここでは、実際に科される6つのペナルティをわかりやすく解説します。

① 支給停止(その時点で受給資格を喪失)

不正が確認された瞬間から、それ以降の失業保険は一切受給できなくなります
受給期間が残っていても復活しません。

② 返還命令(受け取った分は全額返金)

不正に受け取った金額は、1円残らず全額返さなければなりません
生活費に使ってしまっていても例外はありません。

③ 納付命令(不正受給額の2倍の追加徴収)

返還額(1倍)に加えて、不正額の2倍の納付命令が課されます。
合計:不正額の3倍を請求される仕組みです。

④ 強制処分(財産差押・給与差押)

返還命令に応じない場合、ハローワーク財産の差押えを行います。
給与・預金・不動産など、差押え対象は広範囲に及びます。

⑤ 詐欺罪として刑事告発される可能性

不正の内容が悪質、金額が大きい、故意性が強い場合は、詐欺罪(刑法246条)で告発されるケースがあります。
刑事事件になると前科がつく可能性もあります。

⑥ 延滞金の発生

返還までに時間がかかった場合、延滞金が加算されていきます。
最終的な負担額はさらに増え、日常生活に大きな支障が出ることになります。

参考:北海道労働局「不正受給をした場合には」

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不正受給をしてしまう3つの理由

不正受給は、故意のケースだけでなく「知らなかった」「大丈夫だと思った」という誤解から発生することがほとんどです。

ここでは、多くの人が陥りやすい3つの原因をわかりやすく解説します。

① 「1日くらいなら大丈夫だろう」という油断

「たった数時間のバイトなら問題ないはず」
「今日だけ手伝っただけだから申告しなくてもいい」

このような“少額・短時間だからOK”という思い込みは非常に危険です。
失業保険は 金額の大小ではなく、就労の事実 で判断されるため、1日だけでも未申告なら不正に該当します。

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② 「どうせバレない」と思い込んでいる

ハローワークは以下のような複数の方法で確認しています。

  • 雇用保険の適用状況
  • 事業主からの届出
  • 税務データとの照合
  • 年金記録との整合性チェック
  • 会社・知人・家族・近所の人からの通報
  • 求職活動や認定日のヒアリング

「見つからない」は成立しません。
調査は定期的に行われており、数ヶ月後・数年後に発覚するケースも珍しくありません。

参照:厚生労働省「不正受給について」

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③ 「アルバイトなら関係ない」と誤解している

「雇用契約じゃなくて、ただの手伝いだから」
「業務委託だし、バイトじゃないから関係ない」

こうした誤解も多発していますが、制度上は 名称ではなく“実態”で判断 されます。

  • 4時間以上働けば、その日は失業保険の対象外
  • 週20時間以上の継続就労なら「就職扱い」
  • 手伝い・日雇い・単発ワークでも、実態次第で“就労”に該当

「アルバイトじゃないからセーフ」は存在せず、働いた事実を申告しなかった時点でアウト になる可能性があります。

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不正受給に気づいたら、すぐに返還手続きを進めるべき

「悪意はなかった」「知らなかっただけ」というケースでも、
不正と判断されれば返還義務は必ず発生します。

不正受給は放置すればするほど、
返還額・延滞金・納付命令(2倍)・差押えなど、処分が重くなる可能性があります。
気づいた時点で、できるだけ早く対応することが最も重要です。

自主返還の一般的な流れ

  1. 管轄のハローワークに連絡する
    「不正受給の可能性があるので相談したい」と伝えれば OK。
  2. 受給状況を正直に説明する
    いつ・どのような収入があったか等、事実を正しく伝えることが大切。
  3. 指示された手続きを進める
    返還額の確定通知が届き、分割相談が可能な場合もあります。

不正受給の疑いに自ら気づき、調査が入る前に自主的に対応することは非常に重要です。
早期に申し出れば、ハローワーク側から「悪質」と判断されにくくなり、結果として処分が軽くなる可能性があります。

具体的には、

  • 納付命令(不正額の2倍)を回避できる可能性が高まる
  • 延滞金が膨らむ前に返還手続きを進められる

といったメリットがあります。

不正受給の問題は、放置すればするほど手続きが複雑になり、返還額も増えてしまいます。
少しでも不安がある場合は、ひとりで悩まず、できるだけ早めにハローワークへ相談することが最善の行動です。

まとめ|不正受給は“知らずに”でも成立します。迷ったら早めに専門家へ

失業保険は、正しく手続きを行えば安心して受け取れる制度です。
しかし、不正受給は 「受け取る前でも、企てただけで成立する」 とされており、悪意がなくてもペナルティの対象になることがあります。

本記事で押さえておくべきポイントは次のとおりです。

  • 働いた日は名称に関わらず必ず申告する
  • 傷病手当金・労災給付など “働けない人向け給付” との併給は不可
  • 役員就任・開業は、収入の有無に関わらず準備段階から申告が必要
  • 不正は必ず発覚し、返還+2倍の納付命令など処分が重い

少しでも「これは申告すべき?」と迷ったら、必ず早めに確認してください。

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