失業保険の不正受給の5パターンを紹介!不正受給をした場合のリスクについても徹底解説

「失業保険はどんなときに不正受給になる?」
「どんなペナルティがあるのだろうか?」
「専門家に相談がしたい」

といった悩みを抱えていませんか?失業保険を受けるためには条件があり、受給資格のない人が受け取ると不正受給となります。

不正受給とは知らずに受け取る人もいますが「知らなかった」では済まないため、最低限の知識は身につけておくことが大切です。

そこで、本記事では以下のポイントについて解説します。

  • 失業保険の不正受給とは
  • 不正受給が起きやすいケース
  • 失業保険を不正に受給した際のペナルティ
  • 不正受給をしてしまう理由

失業保険を不正に受給すると、いつかはバレてペナルティを受けることになるでしょう。本記事を読むことで失業保険の申請をする際の正しい知識を持てるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

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失業保険の不正受給とは

失業保険の不正受給は、本来は支給を受けられない者が不正な手段によって支給を受けることをいいます。

失業保険を受給するための要件

失業保険の受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • ハローワークで求職の申し込みをして、就職したいという積極的な意思がある
  • いつでも就職できる状態である
  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算で12ヶ月以上あること

病気やけが、出産・育児などによってすぐに就職できない場合には失業保険は受けられません。また、雇用保険の被保険者期間の12ヶ月は、離職日から遡って1ヶ月ごとに区分した期間でみます。

賃金支払いの基礎となった出勤日数が11日以上、または総労働時間が80時間以上必要です。

不正受給は実際に受けたかどうかは関係ない

失業保険の不正受給は、実際に支給を受けたかどうかは関係ありません。不正な手段によって、支給を受けることを企てるだけでも不正受給とみなされます。

不正受給が起きやすい5つのケース

ここでは、不正受給が起きやすいケースを紹介します。

  1. 働いているのに申告していない
  2. 他の給付金を受け取っている
  3. 替え玉を使ったり偽造したりしている
  4. 就職できる状態ではなくなったのに申告しない
  5. 会社役員や非常勤嘱託などに就任したことを申告しない

悪質な不正受給とみなされると刑事罰を受けることもあるため、ペナルティを受けないための参考にしてみてください。

1.働いているのに申告していない

実際は働いているのに、そのことを申告せずに失業保険を受給した場合には不正受給となります。パート、アルバイト、研修生などの名称や収入の有無に関係なく、認定日に申請が必要です。また、1日の労働時間が4時間未満であるかによっても取り扱いが異なります。

1日の就労が4時間未満 内職・手伝いの扱いとなり、失業保険が減額されることがある
1日の就労が4時間以上 失業保険の支給はない

さらに、週20時間以上の継続的な業務を行う仕事に就いた場合には、就職とみなされます。

2.他の給付金を受け取っている

他の給付金を受け取っている場合にも不正受給となります。失業保険は、他の給付と重複して受給することが認められていないためです。

他の給付としては、以下のものが挙げられます。

  • 健康保険の傷病手当金
  • 労災保険の休業補償給付

傷病手当金は、仕事ができない労務不能状態であるときに支給されるもので、休業補償給付は業務上のケガなどによって仕事を休んだ時に支給されるものです。これらは、失業保険の受給要件とは異なるため、同時に受給することは認められていません。

傷病手当金や休業補償給付を受給している場合は、あらかじめハローワークへの申告が必要です。

3.替え玉を使ったり偽造したりしている

他人になりすましたり、書類を偽造したりして失業保険を不正受給するケースもあります。失業保険の受給資格がないのに、他人になりすまして不正に受給した場合です。

また、会社の発行する離職票などの証明書を偽装して受給資格を不正に得る場合もあります。1ヶ月の出勤日数が11日に満たないのに日数を水増ししたり、実際の額とは異なる給与額を記入したりといったことがあります。

このほかにも、退職事由が自己都合によるものであるのに会社都合退職として虚偽の申告をして受給した場合にも、不正受給とみなされます。

4.就職できる状態ではなくなったのに申告しない

すぐには就職できない状態となったときに申告しないと、不正受給となります。失業保険を受けるためには、いつでも就職できることが大前提です。

失業保険を受給中に、病気やケガによって就職が不可能となった場合にはハローワークに申告が必要です。

この場合、在職中に健康保険に加入していた人であれば、傷病手当金を受給できる可能性があります。ただ、退職後の傷病手当金を受けるためには在職中の健康保険の加入期間が1年以上であるなどの条件があります。

5.会社役員や非常勤嘱託などに就任したことを申告しない

会社役員や非常勤嘱託などに就任したときに申告をしない場合にも、不正受給となります。

また、フリーランスや自営業になったときも失業状態であるという状態ではなくなるので、失業保険の受給はできません。実際に事業を開始したときではなく、準備をした段階で申告をする必要があります。

失業保険を不正受給した際に受けるペナルティ6選

失業保険を不正受給すると、以下のようなペナルティを受けます。

  1. 支給停止
  2. 返還命令
  3. 納付命令
  4. 強制処分
  5. 詐欺罪として告発
  6. 延滞金

「知らなかった」では済まないため、不正受給によるリスクをしっかり理解しましょう。

1.支給停止

失業保険を不正に受給した際に受けるペナルティとしてまず挙げられるのが、支給停止です。不正受給があった日から、失業保険を受ける権利がなくなります。

2.返還命令

失業保険を不正に受給した金額は、返還命令によってその全額を返還する必要があります。

3.納付命令

不正受給が悪質である場合には、納付命令によってさらに多くの金額を支払う必要があります。納付金額は、不正によって受けた金額の2倍の金額です。返還すべき金額と合わせると、3倍もの金額を支払う必要があります。

4.強制処分

返還命令や納付命令を無視して支払いを怠った場合には、強制処分として財産の差し押さえが行われることがあります。

5.詐欺罪として告発

不正受給が悪質である場合には、刑法の詐欺罪に該当し刑事事件に発展することもあります。

6.延滞金

不正によって失業保険を受給した金額には、返済するまで延滞金が課されます。例えば、200万円を不正に受給した場合、不正受給金額200万円+延滞金+納付金400万円=600万円+延滞金を支払う必要があります。

不正受給をしてしまう3つの理由

不正受給をしてしまうのには理由があります。

  1. 1日くらいならいいと思ってしまう
  2. 見つからなければよいと思っている
  3. アルバイトだから関係ないと思っている

自分で正しい判断ができずに軽い気持ちで不正受給をしてしまう人や、知らず知らずのうちに不正受給となる人がいます。時には、専門家のアドバイスを参考にすることも必要です。

1.1日くらいならいいと思ってしまう

1日くらいであれば、不正受給をしても問題ないと思う人もいます。しかし、たとえ1日分の少額であったとしても、貴重な雇用保険財源から支給されているということを忘れてはいけません。

2.見つからなければよいと思っている

見つからなければ大丈夫と思っている人も一部にはいます。ただ、失業保険の不正受給はいつかはバレると思ってよいでしょう。ハローワークでは、不正受給を防止するために定期的に調査を行なっています。また、第三者からの密告や会社からの通報などでも不正受給をしていることが発覚するケースがあります。

3.アルバイトだから関係ないと思っている

アルバイトだから関係ないと思っていて、不正受給してしまう人もいます。就労状態はアルバイトやパートなどの名称ではなく、実態をみての判断となります。1日の就労時間が4時間以上であれば失業保険を受給する資格はないため、不正受給となってしまいます。

不正受給を発見される前にすみやかに返還しよう

不正受給をする人の中には、悪意があって受給したわけではないという人もいるでしょう。自分の受け取った雇用保険の給付が不正受給であることに気づいたら、速やかに返還することが大切です。

そのまま放置しておくと、後々大きな問題に発展して刑事罰を受ける可能性もあります。

失業保険についての不安は専門家に相談を

失業保険について分からないことや不安なことがあれば、専門家に相談することが大切です。法改正によって制度も頻繁に変わっていくため、専門家に任せれば安心して失業保険や傷病手当金などの給付を受けられ、次のステップへ進めるでしょう。

失業保険や傷病手当金の申請については、社会保険給付金アシストにぜひお任せください。