退職後の生活において、最も不安な点は「収入が途絶える」ことです。
そんな中で支えとなるのが 退職給付金(=傷病手当金・失業保険) です。
ただし、この制度にはメリットだけでなくデメリットも存在し、条件を満たさないと受け取れないこともあります。
この記事では、退職給付金のメリット・デメリットを比較し、受給条件や注意点を詳しく解説します。
目次
社会保険給付金アシストでは退職した後に
・ゆっくりしたいけどお金がない
・しばらく働きたくない
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といった方に向けて社会保険給付金申請のサポートをしています。
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退職給付金とは?
一般的に「退職給付金」というと会社から支給される退職金をイメージする方も多いですが、ここで扱うのは 退職後に公的制度から受け取れる給付金 を指します。
具体的には以下の2つです。
- 傷病手当金:心身の不調で働けないときに健康保険から支給される給付金
- 失業保険(基本手当):失業後の求職活動期間中に雇用保険から支給される給付金
これらは「退職後にもらえるお金」として非常に重要ですが、それぞれ仕組みや条件が異なります。
受給条件や手続きの流れを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
退職給付金のメリット
退職給付金には「傷病手当金」と「失業保険」の2つがあり、それぞれに独自の強みがあります。
さらに、両方をうまく組み合わせることで、より長く安定した生活支援を受けられる点も大きな魅力です。
傷病手当金のメリット
- 生活費を安定させられる
給与の約3分の2が最長18か月間支給されるため、収入がなくても生活を支えやすくなります。
退職後の経済的不安を軽減できるのは大きな安心材料です。 - 退職後も継続可能
退職前に受給要件を満たしていれば、退職後も支給を続けられます。
退職直後に途切れず給付を受けられるのは心強いポイントです。 - 医師の診断に基づくため安心
病気やケガによる労務不能を医師が証明する仕組みになっているため、制度の透明性が高く、安心して利用できます。
具体的な傷病手当金申請の流れや必要書類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
失業保険のメリット
- 再就職までの生活資金を補える
失業中に一定額の給付が受けられるため、収入ゼロの状態を防ぎ、生活費の心配を軽減します。 - 再就職支援制度と併用可能
再就職手当や職業訓練給付などの制度と合わせて活用できるので、より早い再就職につなげやすくなります。 - 自己都合退職でも給付可能
待期期間(7日間)と給付制限(1か月)を経れば、自己都合退職者でも給付を受けられます。
会社都合に比べれば制限はあるものの、救済制度として機能しています。
具体的な申請の流れを知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
両制度を組み合わせるメリット
- 最長で2年以上の給付が可能
傷病手当金18か月+失業保険最大10ヶ月(45歳以上の場合は12か月)=合計28~30か月という長期の支援を受けられます。
単独利用よりも生活の安定度が高まります。 - 体調不良からの回復後に失業保険へ切り替えられる
まずは療養に専念し、体調が整った段階で失業保険に移行することで、生活の途切れを最小限に抑えられます。
両制度の切り替えタイミングや具体的な条件については、こちらの記事で詳しく解説しています。
退職給付金のデメリット
退職給付金は退職後の生活を支える大きな助けになりますが、メリットばかりではありません。
条件を満たさなければ受給できなかったり、制度の複雑さゆえに不支給となるケースもあります。
ここでは、傷病手当金・失業保険それぞれのデメリット、そして両制度に共通する注意点を解説します。
傷病手当金のデメリット
- 医師の診断が必須
傷病手当金を受け取るには「労務不能」と判断される必要があります。
医師の診断書がなければ受給できないため、自己判断では制度を利用できません。 - 働いているとみなされると不支給
アルバイトや副業を行った場合、「労務不能ではない」と判断され、支給が停止される可能性があります。
療養中の副業はリスクが高い点に注意が必要です。 - 制度の理解不足で不支給になりやすい
申請書類の不備や条件の誤解によって、簡単に却下されてしまうケースがあります。
特に「病名の書き方」や「申請のタイミング」を誤ると受給できないこともあります。
具体的な不支給理由とその対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
失業保険のデメリット
- 自己都合退職は給付制限がある
直近の法改正により2か月→1か月に短縮されたとはいえ、自己都合退職者は給付開始まで待たされます。
無収入の期間が発生する点は注意が必要です。 - 就職活動の実績が必要
ハローワークでの求職活動を怠ると、支給が止められてしまいます。
単に「失業したからもらえる」というものではなく、再就職に向けた活動が条件です。 - 退職理由で金額や期間が変動
会社都合退職なら手厚い給付を受けられますが、自己都合退職の場合は給付期間や金額が少なくなることがあります。
退職理由によって待遇が大きく変わる点はデメリットです。
具体的な工夫や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
共通のデメリット
- 複雑な手続きが必要
書類の記入ミスや提出遅れがあると、支給が遅れたり不支給になることがあります。
とくに初めて手続きをする人にとってはハードルが高い部分です。 - 同時受給ができない
傷病手当金と失業保険は重複して受け取れません。
どちらを優先するかを選ぶ必要があるため、ライフプランに応じた判断が求められます。
制度の優先順位や受給額のシミュレーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
退職給付金の受給条件
退職給付金は誰でも自動的に受け取れるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。
ここでは、傷病手当金と失業保険それぞれの受給条件を整理して解説します。
傷病手当金の受給条件
- 健康保険に1年以上継続して加入していること
傷病手当金は健康保険の被保険者が対象で、国民健康保険では原則として支給されません。
特に退職後も継続して受給する場合は、退職日の前日までに1年以上の被保険者期間があることが条件となります。 - 病気やケガで働けない状態であること(医師の証明が必要)
医師が「労務不能」と診断して初めて受給資格が認められます。
自己判断だけでは申請できません。 - 給与の支払いがないこと
休業中に給与が出ている場合は、その分だけ傷病手当金が減額または不支給になります。 - 連続して3日以上働けなかった日があること
「待期期間」と呼ばれる3日間の連続した休業を経て、4日目以降から支給対象となります。
失業保険の受給条件
- 雇用保険に一定期間加入していること(直近2年で12か月以上)
雇用保険に加入していた期間が条件を満たしていないと、失業保険は受け取れません。 - 働く意思と能力があること
「病気療養中で働けない」「専業主婦になる予定」などの場合は対象外となります。 - ハローワークで求職申込みを行うこと
受給にはハローワークへの登録が必須です。
求職活動を通じて初めて受給資格が認められます。 - 失業状態であること(在職や休業中では不可)
雇用契約が残っている場合や休職中は「失業」とみなされず、失業保険の対象外になります。
退職給付金を受け取る際の注意点
退職給付金は生活を支える大切な制度ですが、正しく理解して申請しないと「受け取れるはずのお金が受け取れない」という事態になりかねません。
特に、制度の仕組みや申請の手順を誤解してしまうと、不支給や受給額の減額につながることもあります。
ここでは、申請前に必ず知っておきたい注意点をまとめます。
同時受給は不可
傷病手当金と失業保険は、同時に受け取ることができません。
どちらを優先するかは医師の診断内容や体調の回復状況によって判断する必要があります。
たとえば療養中は傷病手当金を優先し、回復後に失業保険に切り替えるケースが一般的です。
実際にどのように切り替えるのか、手続きの流れや金額の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
申請のタイミングが重要
失業保険は退職後すぐにハローワークで申請しなければ、受給期間が短くなってしまう可能性があります。
退職から時間が経過すると、残りの受給日数が減ってしまうため注意が必要です。
ただし、療養中やすぐに求職活動ができない事情がある場合は、受給期間の延長申請を行うことで、最大3年間まで給付開始を先送りすることが可能です。
状況に応じて申請を検討するとよいでしょう。
受給期間延長の条件や手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
副業・アルバイトの制限
傷病手当金や失業保険を受給中に副業やアルバイトを行うと、収入額や労働時間によっては給付が減額されたり、不支給となる可能性があります。
特に労働時間が長い場合には「働ける状態」とみなされ、不正受給と判断されるリスクもあるため注意が必要です。
一方で、条件を守ればアルバイトが認められるケースもあります。
こちらの記事で詳しく解説しています。
申請書の記載が分かれ目
傷病手当金の申請では、申請書に記載される病名や内容が非常に重要です。
特に精神疾患の場合、「うつ病」や「適応障害」など、病名が明確に書かれていないと不支給になるケースも少なくありません。
そのためには、医師に正確に症状を伝え、適切に申請書へ反映してもらうことが受給可否の分かれ目となります。
申請書を通りやすくするための伝え方や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
退職給付金を上手に活用するためのポイント
退職給付金は、申請の仕方や使い分けを工夫することで大きな安心につながります。
ポイントは次の3つです。
- 自分に合った制度を選ぶ
体調不良で働けないときは傷病手当金、健康で就職活動ができる状態なら失業保険を選ぶのが基本です。 - 切り替えを意識する
傷病手当金と失業保険をうまく順番に使えば、最長で30か月近くの支援が受けられます。
体調や状況に合わせてタイミングを調整することが大切です。 - 専門家に相談する
書類の不備や勘違いで不支給になるリスクを避けるため、必要に応じてプロのサポートを受けると安心です。
まとめ
退職給付金(傷病手当金・失業保険)は、退職後の生活を守るために欠かせない制度です。
メリットとしては 生活費の安定 や 長期的な支援 があり、一方で 複雑な手続き や 不支給リスク といったデメリットも存在します。
大切なのは、受給条件や注意点を正しく理解し、自分に合った制度を選んで申請することです。
社会保険給付金アシストでは、こうした制度をスムーズに活用できるよう申請のサポートを行っています。
「自分は受給できるのか不安…」という方も、専門家の視点からしっかりサポートしますので安心してご相談ください。