「社会保険給付金と失業保険は両方もらえるの?」と疑問に思う方は少なくありません。
退職後の生活を支えるお金の制度は複雑で、どの給付がどんな条件で受けられるのか分かりにくいためです。
実際には、社会保険給付金には失業保険も含まれており、同時に受給することはできません。
本記事では、社会保険給付金と失業保険の違い、両方をどう活用すればよいのか、さらに再就職手当まで含めて分かりやすく解説します。
退職後の生活に不安を感じている方へ。焦らなくても大丈夫です。
条件を満たせば、「傷病手当金」や「失業保険」などの給付金を数十万〜数百万円受け取れる可能性があります。
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社会保険給付金とは?

「社会保険給付金」という言葉は幅広い意味で使われますが、本記事では「傷病手当金」と「失業保険」を指します。
どちらも会社員が社会保険に加入していることで受けられる代表的な給付で、退職や病気などライフイベントの際に生活を支える大切な制度です。
傷病手当金
病気やケガで働けなくなったときに、健康保険から支給される生活補償です。
給与のおよそ3分の2が通算1年6か月(18か月)まで支給され、療養中の生活を支えてくれます。
支給を受けるには医師の証明が必要で、条件は「働けない状態」であることです。
失業保険
正式名称は「雇用保険の基本手当」。
離職して求職活動を行っている人に、ハローワークを通じて支給されます。
給付日数は離職理由・年齢・雇用保険の加入期間によって変わり、働ける状態であること、かつ就職活動を行っていることが条件です。
なお、失業保険には離職日の翌日から1年以内に受け取り終えるというルールがあります。
傷病手当金と失業保険の違い

傷病手当金と失業保険は、どちらも生活を支えるための制度ですが、目的や受給条件には大きな違いがあります。
混同しやすいため、それぞれの特徴を整理して理解しておきましょう。
支給対象の違い
- 傷病手当金:病気やケガで「働けない人」
- 失業保険:離職後で「働ける人」
つまり、傷病手当金は「就労できない状態」を補う給付であるのに対し、失業保険は「再就職に向けて活動している人」を対象としています。
支給元の違い
- 傷病手当金:健康保険組合や協会けんぽなどの医療保険制度から支給
- 失業保険:ハローワークを通じて、国の雇用保険制度から支給
それぞれ制度の管轄が異なる点も、重要な違いのひとつです。
必要書類や手続きの違い
- 傷病手当金:医師の証明書や事業主の証明が必要
- 失業保険:離職票、求職申込書、認定日の出席などが必須
申請に必要な書類や流れもまったく異なるため、混同しないよう注意が必要です。
金額と期間の違い
- 傷病手当金:給与の約67%が通算1年6か月(18か月)まで支給される
- 失業保険:退職前の賃金を基準に算定され(賃金日額のおよそ50〜80%)、通常3〜5か月支給
期間の長さでは傷病手当金の方が長い一方で、失業保険は「再就職の支援」に重点を置いています。
傷病手当金と失業保険は両方もらえる?

結論から言うと、同時に両方を受給することはできません。
なぜなら、傷病手当金は「働けない人」が対象であるのに対し、失業保険は「働ける人」が対象だからです。
条件が相反しているため、制度上も両立は不可能となっています。
正しい受給の流れ
制度を上手に活用するには、以下の順番で切り替えるのが一般的です。
- 病気やケガで働けない期間は、傷病手当金を受け取る
- 退職したら、失業保険の「受給期間延長申請」をしておく
- 病気が回復し、働ける状態になったら、失業保険を申請する
失業保険は離職日の翌日から1年で受給期間が終わります。
傷病手当金は通算1年6か月まで受け取れるため、療養が長引くと、傷病手当金を受けている間に失業保険の権利が消えてしまいます。
延長申請をしておけば、受給期間を最大4年まで延ばせます。
この流れを踏むことで、療養中から就職活動開始後まで、途切れなく収入を確保することができます。
切り替えのポイント
失業保険を申請するときには、状況によっては医師の意見書を求められる場合があります。
病気が回復して「就職活動ができる」と認められることで、失業保険の受給が始まります。
逆に、まだ働けない状態で申請してしまうと、不支給になるケースもあるため注意が必要です。
再就職すれば「再就職手当」ももらえる

失業保険の受給中に早期に再就職すると、「再就職手当」という追加の給付を受けられる場合があります。
これは、まだ残っている失業保険の給付日数の一部をまとめて支給してくれる制度です。
支給額は、残した日数によって2段階に分かれます。
- 所定給付日数の3分の2以上を残して就職した場合:残日数の70%
- 所定給付日数の3分の1以上を残して就職した場合:残日数の60%
例えば、3か月分の失業保険が残っている状態で再就職した場合、その6割から7割が現金で支給されるため、早く就職しても「損をした」ということにはなりません。
再就職手当のメリット
- 早く就職しても損をしない
- 生活再建をスムーズに進められる
- 早く就職するほど受け取れる率が高くなる
主な支給要件
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 待期期間(7日)が終わったあとの就職であること
- 離職前の事業主やその関連会社への再就職でないこと
申請は、就職した日の翌日から原則1か月以内です。
このように、失業保険を最後まで受け取るよりも、早めに再就職して「再就職手当」をもらったほうが結果的に得になるケースも多くあります。
両方を上手に活用するポイント

傷病手当金と失業保険は、制度の仕組みを理解して順番に活用することが大切です。
- まずは傷病手当金をしっかり活用(通算1年6か月)
病気やケガで働けない間は、生活費を支えるために傷病手当金を受給します。
退職したら、忘れずに失業保険の受給期間延長申請をしておきましょう。 - その後に失業保険を申請(3〜5か月)
病気が回復し、働ける状態になってから失業保険を活用することで、収入の途切れを防げます。 - 早期に就職できれば再就職手当も受け取れる
失業保険の途中で就職した場合、残り日数の60〜70%が「再就職手当」として支給されるため、早めの再スタートにもメリットがあります。
失業保険の受給期間を延ばすためのポイント

失業保険は、通常の自己都合退職の場合、受給できる期間はおおむね3〜5か月に限られます。
そのため「思ったより短いのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。
しかし、ハローワークで「就職困難者」に該当すると認められると、所定給付日数が大幅に長くなります。
雇用保険の加入期間が1年以上あれば、45歳未満で300日、45歳以上65歳未満で360日(10〜12か月)まで延びます。
加入期間が1年未満の場合は150日です。
対象になるのは、原則として身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの方です。
手帳の等級は問われません。
また、手帳がなくても、統合失調症・うつ病・双極性障害・てんかんなどの場合は、医師の意見書によって認められることがあります。
なお、この認定は自動では付きません。
ハローワークでの手続き時に自分から申し出て、手帳または医師の意見書を提出する必要があります。
条件を満たす場合は生活を安定させるうえで非常に有効な制度ですので、積極的に活用を検討すると良いでしょう。
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社会保険の制度は複雑で、ちょっとした条件の違いで 「もらえる/もらえない」「期間が短い/長い」 と結果が大きく変わってしまいます。
制度を正しく理解して活用すれば、数か月から数十か月にわたり安定した収入を確保できる場合もあります。
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まとめ
社会保険給付金には 「傷病手当金」と「失業保険」 が含まれます。
この2つは同時に受給することはできず、正しい流れは、
- 病気やケガで働けない期間に 傷病手当金 を受給する
- 回復して働ける状態になったら 失業保険 を申請する
という順番です。
さらに、失業保険の受給中に早期に再就職すれば 「再就職手当」 を受け取れる可能性もあります。
制度を正しく理解し、申請の順序を間違えなければ、数か月から最長数年にわたる生活保障 を得ることも可能です。
社会保険給付金は、働く人の暮らしを守る大切な制度です。
もし手続きに不安がある場合は、専門家やサポートサービスを活用し、安心して進めることをおすすめします。
