「入社してまだ数ヶ月なのに体調を崩してしまった…」
「1年未満でも傷病手当金はもらえるの?」
という不安を抱える方は非常に多いです。
結論から言うと、在職中であれば入社1年未満でも傷病手当金の受給は可能です。
ただし、退職後も受け取り続けたい場合には“継続1年以上”などの特別な条件が必要で、前職との通算や退職日の扱いによって結果が大きく変わります。
本記事では、入社1年未満の方が特に知っておくべき傷病手当金のポイントを、退職・通算・金額の仕組みまで含めてわかりやすく解説します。
まず傷病手当金の全体像をつかみたい方は、先にこちらをご覧ください。
※本記事は、傷病手当金や失業保険などの給付制度を専門に扱う編集チームが、厚生労働省や全国健康保険協会(協会けんぽ)などの公的情報を参照し作成しています。
目次
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結論:入社1年未満でも傷病手当金はもらえる(ただし退職後は条件あり)
まず知っておくべき結論は次の3つです。
- 在職中なら加入期間が短くても受給自体は可能
- 退職後も継続して受け取りたい場合は“継続1年以上の加入”が必須
- 前職との通算や退職日の扱いによって結果が変わる
あなたが今「もらえるのか、退職したらどうなるのか」で悩んでいるなら、まずはここを正しく理解することが重要です。
傷病手当金の基本ルール(1年未満の人が押さえるべきポイント)
ここでは、「入社1年未満の方に特に関係する部分だけ」に絞って、傷病手当金の仕組みをシンプルに整理します。
傷病手当金が支給されるための条件
傷病手当金は次の状態にあるときに支給されます。
- 健康保険の被保険者であること
- 業務外の病気・ケガで労務不能と医師に判断されていること
- 連続する3日間の待期が成立していること(4日以上の休業)
- 給与の支払いがない(または一部のみ)こと
加入期間の長さは関係ないため、入社して間もなくても条件を満たせば対象になります。
支給期間と金額の基本
- 支給期間:支給開始日から最長1年6ヶ月(通算)
同じ傷病であれば、在職・退職をまたいでも「合計1年6ヶ月」が上限です。 - 支給額:標準報酬日額の3分の2
給与明細の「標準報酬月額」をもとに計算されます。
ただし、加入期間が12ヶ月未満の場合は金額計算に特例があるため、後半で詳しく解説します。
参照:協会けんぽ「傷病手当金」
退職後も傷病手当金をもらうための条件と注意点
入社1年未満の人でも在職中は受給できますが、退職後も継続して受給するためには厳密な条件があります。
退職後も傷病手当金を受けるための条件
- 継続して1年以上の被保険者期間があること
- 退職日の前日までに“連続3日以上”休業していること
- 退職日当日にも出勤していないこと
- 同一傷病で退職後も労務不能が続いていること
とくに知っておくべきは②③です。
多くの人が見落としがちなポイントです。
退職日に出勤したら継続給付は受けられない
たとえ「挨拶だけ」「数時間だけ」であっても、退職日に出勤した時点で継続給付の条件は満たしません。
退職後も傷病手当金を受け取りたい場合は、必ず「退職日も休んでいる」状態にしておく必要があります。
前職と合わせて1年以上にできる?通算の仕組みを解説
退職後も傷病手当金を継続して受け取りたい場合に重要なのが、「加入期間の通算」という考え方です。
ポイントはただひとつ──
前職と現職のあいだに“無保険期間(空白)”があるかどうかです。
空白がなければ前職と現職の加入期間は通算できる
前職の社会保険を抜ける日(資格喪失日)と、現職で社会保険に加入した日(資格取得日)が連続していれば、加入期間として通算して1年以上とみなされます。
例
- 前職:6ヶ月加入
- 現職:6ヶ月加入
- 加入の空白なし
→ 合計12ヶ月=1年以上でOK
この場合、入社1年未満であっても、退職後の継続給付が受けられる可能性があります。
1日でも空白があると通算はできない
次のように、1日でも「無職の期間」があった場合は通算されません。
- 前職を退職
- 数日〜数週間無職
- 現職に入社
この状態になると、前職の加入期間はリセット扱いとなり、
退職後の継続給付の条件(1年以上加入)を満たしません。
また、国民健康保険(国保)に切り替えていた期間も通算には使えないため、「職歴の空白」と同じ扱いになります。
健康保険の種類が変わっても通算できる?
転職時に加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合)が変わっても、
空白さえなければ通算可能です。
- 健保組合 → 協会けんぽ
- 協会けんぽ → 別の健保組合
といったケースでも問題ありません。
自分がどの健康保険に加入しているかわからない場合は、以下の記事が参考になります。
入社1年未満だと傷病手当金はいくらもらえる?【金額の仕組み】
入社1年未満でも傷病手当金は受給できますが、
金額の計算方法に特例があるため、人によっては「思ったより少ない」と感じるケースがあります。
まずは基本の計算式から確認しましょう。
基本は「標準報酬日額 × 3分の2」
傷病手当金の1日あたりの支給額は次の式で決まります。
標準報酬日額 × 3分の2 = 1日あたりの支給額
この「標準報酬日額」は、給与をもとに決められた 標準報酬月額 を30で割ったものです。
入社12ヶ月未満の人だけに適用される“特例”とは?
支給開始日の前日における被保険者期間が 12ヶ月未満 の場合、計算方法が通常と異なります。
健康保険法では、
- あなたの直近の標準報酬月額
- 協会けんぽが定める平均標準報酬月額(平均値)
この どちらか低い方 を基準として計算する、と定められています。
そのため、入社したばかりの人や給与がまだ低く設定されている人は、
「想定より支給額が少ない」
ということが起こりやすくなります。
さらに具体的な計算方法やモデルケースを知りたい方は、こちらで詳しく解説しています。
ケース別チェック表|あなたは傷病手当金を「もらえる? もらえない?」
入社1年未満の場合、「在職中なら受給できるのか?」「退職後はどうなるのか?」という点で条件が大きく変わります。
ここでは、よくあるケースを一覧で確認できるようにまとめました。
在職中(入社1年未満)のケース
在職中であれば加入期間が短くても、基本条件を満たしていれば傷病手当金は受給可能です。
| 状況 | 加入期間の扱い | 受給可否 |
|---|---|---|
| 入社3ヶ月で休職 | 在職中なら条件を満たせばOK | ⭕ 受給可能 |
| 入社半年で休職 | 在職中なら加入期間は不問 | ⭕ 受給可能 |
| 派遣社員で6ヶ月勤務で休職 | 社会保険に加入していればOK | ⭕ 受給可能 |
在職中は「加入期間の長さ」による制限はないため、1年未満でも基本条件を満たせば受給できます。
退職後に継続受給を狙うケース
退職後も傷病手当金を受け取りたい場合は、通算で1年以上の加入が必須です。
ここを満たせないケースが非常に多いため注意が必要です。
| 状況 | 通算扱い | 受給可否 |
|---|---|---|
| 新卒入社後、半年で退職 | 通算1年未満 | ❌ 継続受給は不可 |
| 前職6ヶ月 → 現職6ヶ月(空白なし)で退職 | 空白がないため通算1年以上 | ⭕ 受給可能 |
| 前職8ヶ月 →(1ヶ月無職)→ 現職4ヶ月で退職 | 未加入期間ありで通算不可 | ❌ 継続受給は不可 |
前後の職場の間に“1日でも空白”があると通算できず、退職後の継続受給はできません。
傷病手当金が使えない・足りないときの代わりの選択肢
入社1年未満の人は、退職後に継続受給できないケースも多く、
「傷病手当金だけでは生活が厳しい」「そもそも対象外だった」という状況も珍しくありません。
そんなときに検討すべき現実的な選択肢をまとめました。
① 退職タイミングを見直す
もし退職を急ぐ必要がないのであれば、在職期間を延ばして「通算1年以上」を満たすことが最大の対策になる場合があります。
1年未満で退職すると継続受給ができないため、退職日をどう設定するかで結果が大きく変わります。
② 退職後に使える他の制度を活用する
傷病手当金が「使えない」「足りない」「退職後は継続できない」という場合でも、
生活を支えるための公的制度はいくつも存在します。
状況に応じて併用できる制度もあるため、必ず確認しておきましょう。
失業保険(基本手当)
病気が回復し、求職活動ができる状態なら最優先で検討すべき制度です。
退職後の生活費を支える中心的な給付になります。
雇用保険の傷病手当(※健康保険の傷病手当金とは別物)
失業保険の受給資格がある状態で、求職中に体調が悪化して働けなくなった場合、
基本手当相当額を受け取れる制度です。
健康保険の傷病手当金とは仕組みが異なるため、「どっちを使うべきか」で迷う人は多い制度です。
国民健康保険(国保)の減免制度
退職後に国保へ加入する場合、
「前年の所得」「失業による特例」「災害・療養・失業の事情」によって保険料が減免されることがあります。
国民年金の免除制度
退職して収入が減ると、国民年金保険料の負担が重くなります。
その場合、
- 全額免除
- 4分の3免除
- 半額免除
- 4分の1免除
- 納付猶予
などの制度が使えます。
免除期間は将来の年金に一部反映されるため、未納のまま放置するより圧倒的に有利です。
自立支援医療制度(精神通院医療)
メンタル不調で通院が続く人は、
医療費(自己負担)が1割に軽減される制度が使える場合があります。
所得区分によっては毎月の上限額も設定され、医療費の負担を大幅に抑えることができます。
障害年金
うつ病・双極性障害・適応障害など精神疾患でも、症状が重い場合は障害年金の対象となります。
- 働けない
- 就労が極めて困難
- 日常生活に支援が必要
という状態が続く場合、早めに検討すべき制度です。
最後の手段:生活保護
収入・資産が一定以下で、他の制度を使っても生活が立ち行かない場合には生活保護の利用も選択肢になります。
医療費が原則無料になるなど、生活の基盤を守るための最低限の制度です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 入社して3ヶ月ですが、傷病手当金はもらえますか?
A. はい、在職中であれば、被保険者期間が3ヶ月でも受給できる可能性があります。
健康保険の被保険者であることに加えて、
- 医師に「労務不能」と判断されていること
- 連続3日間の待期を含めて4日以上休んでいること
- 休業中の給与の支払いがない(または一部のみ)こと
といった条件を満たしているかどうかで判断されます。
Q2. 試用期間中でも対象になりますか?
A. 社会保険に加入していれば、試用期間中でも原則として対象になります。
「正社員かどうか」「本採用かどうか」ではなく、
- 健康保険に加入しているか
- 上記の支給条件を満たしているか
がポイントです。雇用形態よりも「社会保険の加入状況」で判断されます。
Q3. パートやアルバイトでも対象ですか?
A. パート・アルバイトであっても、社会保険に加入していれば傷病手当金の対象になり得ます。
勤務時間や日数が要件を満たしており、会社の社会保険に加入しているかどうかをまず確認してください。
関連記事:傷病手当金はパート・アルバイトでももらえる?扶養内でも対象になる条件を徹底解説
Q4. 前職で傷病手当金を受けていた場合、1年6ヶ月のカウントはどうなりますか?
A. 傷病手当金の「最長1年6ヶ月」という期間は、同一の傷病について支給開始日から“通算”でカウントされます。
そのため、前職で同じ傷病についてすでに傷病手当金を受給していた場合は、前職分も含めて合計1年6ヶ月が上限となります(在職・退職・転職をまたいでもリセットされません)。
Q5. 前職と現職の加入期間を証明するには何が必要ですか?
A. 一般的には、
- 健康保険の資格取得・資格喪失証明書
- 会社が発行する健康保険資格喪失連絡票 など
で確認します。
前職の会社や加入していた健康保険組合に問い合わせることで、加入期間や資格喪失日が記載された書類を発行してもらえることが多いので、通算1年以上になるか確認したい場合は、早めに必要書類をそろえておくことをおすすめします。
まとめ
入社1年未満でも、在職中であれば傷病手当金は受給可能です。
ただし、退職後も受け取りたい場合は通算1年以上の加入が必要で、退職日当日の出勤や前職との空白期間によって受給可否が大きく変わります。
また、傷病手当金が使えない・足りない場合でも、失業保険、雇用保険の傷病手当、国保の減免、年金の免除など、生活を支える制度はいくつもあります。
入社1年未満で傷病手当金をもらえない方でも、失業保険なら対象になるケースは非常に多いため、必ず確認しておきましょう。
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