現代の日本では、満員電車や交通渋滞を乗り越えて長時間通勤をしている人が少なくありません。
特に転勤や事業所の移転などにより、通勤時間が突然2時間を超えるようになった場合、「もう辞めたい…」と感じるのは自然なことです。
しかし、気になるのは退職理由。
自己都合として扱われてしまうと、失業手当の給付開始が遅れたり、給付日数が短くなったりといった不利益があります。
実は、条件を満たせば「会社都合退職」として扱われる可能性があります。
この記事では、通勤時間が2時間を超えた場合に会社都合退職となるケースや、その条件、対応方法まで詳しく解説していきます。
目次
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通勤時間が長すぎると「会社都合退職」になる?
ハローワークでは、会社側の事情によって通勤が困難になったことを理由に退職した場合、本人が申し出ることで「特定受給資格者」と認定され、会社都合退職に準ずる扱いになることがあります。
たとえば以下のようなケースが該当する可能性があります。
- 転勤や配置転換によって、通勤時間が片道2時間を超えるようになった
- 事業所の移転などにより、従来より著しく通勤負担が増えた
- 勤務地変更により交通手段や路線が限定的になり、実質的に通勤困難となった
厚生労働省のガイドラインでは、明確に「○時間を超えたら会社都合」とは定めていませんが、一般的な目安として「片道1時間半〜2時間以上」が判断基準になるとされています。
また、「通勤困難によって生活が成り立たない」「家庭や健康に悪影響がある」といった事情も、総合的に勘案されます。
「引っ越し」したのが自分の都合だと会社都合にはならない?
通勤時間が2時間を超える場合でも、その引っ越しが本人の都合によるものであれば、原則として「自己都合退職」扱いとなります。
たとえば、以下のような理由で引っ越した場合は、ハローワークでも自己都合と判断されるケースが一般的です。
- 結婚や出産による居住地の変更
- 親の介護のための転居
- 住宅ローンや家賃の事情での引っ越し
- 自身のライフスタイルや希望による移住
しかし、すべてが自己都合扱いになるわけではありません。
以下のようなやむを得ない事情がある場合には、会社都合退職(特定受給資格者)として認められる可能性もあります。
- 病気や健康上の理由での引っ越し
→ 医師の診断書などを提出すれば認定されやすくなります。 - 住居の立ち退きや災害などによる強制的な転居
→ 行政の通知や立ち退き命令書などが証拠になります。 - 会社が在宅勤務や他部署への異動など、通勤負担を減らす配慮を全くしなかった場合
→ 会社への相談記録やメールのやりとりが証拠になります。
こうした事情がある場合、ハローワークで事情を詳しく説明し、必要な書類を揃えることで、「特定受給資格者」として会社都合扱いになる可能性があります。
会社の配置転換・転勤命令で通勤が2時間超えに
会社の指示によって、遠方の勤務地に配属されたり、異動を命じられたりすることで、通勤時間が片道2時間以上になるケースも少なくありません。
こうした場合、退職に至ったとしても「会社都合退職」として認められる可能性があります。
ただし、会社都合と判断されるには、以下のような点が重要な争点になります。
- 配置転換が就業規則に明記されていたか?
→ 就業規則に「勤務地は全国どこでも可」と記載があると、拒否が難しい場合があります。 - 通勤時間がどれほど増加したか?
→ 元の通勤時間と異動後の通勤時間の差が大きく、片道2時間を超えるようであれば、正当な理由と認められやすくなります。 - 会社が本人の健康状態や家庭の事情に配慮したか?
→ 病気や介護、育児などの事情があるのに配慮なく転勤させられた場合、強制力のある転勤と見なされる可能性があります。
認定を後押しする「証拠資料」
会社都合退職をハローワークで主張するためには、具体的な証拠の提示がカギとなります。
以下のような書類を準備するとよいでしょう。
- 就業規則や配転通知書(配置転換がどのように指示されたかの証明)
- 交通機関検索の結果画面(所要時間の増加を可視化)
- 医師の診断書(持病や精神的負担による通勤困難を証明)
- 家族の介護に関する証明書類(在宅介護が必要な家族がいる場合など)
このように、会社の都合による配置転換や転勤が原因で通勤が困難になった場合は、自己都合ではなく会社都合退職と認められる余地があります。
「このまま自己都合にされてしまうのでは?」と不安な方は、まずはハローワークで事情を説明し、必要な資料を揃えて主張していきましょう。
ハローワークに「会社都合退職」として認定してもらうには?
たとえ離職票に「自己都合退職」と記載されていたとしても、ハローワークで事情を説明し、必要な証拠書類を提出すれば「特定受給資格者」(=実質的に会社都合退職と同じ扱い)として認定される可能性があります。
これは、会社側が「自己都合」と処理していたとしても、実態として通勤困難・過度な負担・健康上の問題などがあれば、労働者に責任がないと判断されるケースがあるためです。
認定を受けるために必要な書類
ハローワークで会社都合扱いを主張するには、以下のような資料を準備しておくとスムーズです。
- 通勤経路と時間の証明
→ Googleマップや乗換案内アプリのスクリーンショットなどで、実際の通勤時間が片道1.5〜2時間以上あることを示します。 - 異動や配置転換の証拠
→ 会社からの辞令、メールやLINEでの指示、配転命令書など。できるだけ日時がわかる形で保存しておきましょう。 - 体調への影響や家庭事情を証明するもの
→ 医師の診断書や通院履歴、介護が必要な家族の証明書類など。
申立書の作成と提出
ハローワークでは、事情を説明する「申立書」をその場で記入します。
ここでは以下のような点を具体的に記載します。
- なぜ通勤が困難になったのか
- 会社からの指示や対応内容
- 自分に責任がないと考える理由
証拠がしっかり揃っていれば、離職票の記載にかかわらず特定受給資格者として認定され、会社都合退職と同様の失業給付(給付制限なし・日数優遇)を受けることができます。
退職後に「自己都合」と言われてしまっても、諦めずに自分の事情をきちんと伝えることが大切です。
傷病手当金や失業手当を最大限活用するには
長時間の通勤は、心身に大きなストレスを与える原因にもなり得ます。
実際に「うつ病」や適応障害などを発症し、休職や退職を余儀なくされたというケースも少なくありません。
そうした場合には、傷病手当金や失業手当といった制度を上手に活用することで、収入減をある程度カバーすることができます。
傷病手当金を受け取れるケースとは?
健康保険に加入していた方が、病気やケガにより働けなくなったときに支給されるのが「傷病手当金」です。
例えば、通勤ストレスや異動後の長時間通勤が原因でうつ病と診断された場合は、医師の診断書をもとに申請することが可能です。
- 支給額:標準報酬日額の約2/3
- 支給期間:最長1年6ヶ月
退職後でも、退職前に受給要件を満たしていれば継続受給も可能です。
会社都合退職として認定されれば、失業手当も有利に
通勤負担が原因で退職に至った場合でも、会社の異動命令や事業所移転が原因であれば「特定受給資格者」として認定される可能性があります。
そうなれば、通常の「自己都合退職」に比べて、
- 給付制限期間(1ヶ月)がなくなる
- 最大給付日数が延長される
といったメリットがあります。
申請のミスやタイミングの誤りで、数十万円単位の損をしてしまうケースも珍しくありません。
制度を正しく理解し、活用することで、退職後の生活を安定させましょう。
弊社では、退職後も傷病手当金を継続して受け取れるようサポートするとともに、失業手当をより有利に受給できるような手続き支援も行っています。お気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q. 通勤時間が2時間を超えたら必ず会社都合になるの?
→ いいえ。会社の都合(転勤・異動)であるかどうかが重要です。引っ越し等が自己都合であれば対象外となる可能性があります。
Q. 通勤経路は「Googleマップ」で証明になる?
→ はい、有効な資料として扱われます。出発・到着時間を含めて印刷するとよいです。
Q. 会社都合に変更するにはどうしたら?
→ ハローワークにて申立書を提出し、証拠を提示しましょう。
Q. 在宅勤務が一部可能な場合は?
→ 会社が柔軟な対応をしていれば、通勤困難が成立しない可能性があります。
Q. 配偶者の転勤で引っ越した場合は?
→ 基本的に自己都合となりますが、生活実態ややむを得ない事情次第では相談可能です。
まとめ
通勤時間の増加は、心身への負担だけでなく、退職時の「会社都合」認定にも大きく関わる重要なポイントです。
転勤や事業所移転、やむを得ない引っ越しなどによって通勤が困難になった場合、離職票に「自己都合」と書かれていても、ハローワークで「特定受給資格者」として認定される可能性があります。
さらに、体調を崩してしまった場合には傷病手当金の活用、退職後には失業手当を最大限有利に受け取るための工夫も必要です。
「制度が難しくてわからない」「自分が該当するか判断できない」という方もご安心ください。
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ぜひ一度、お気軽にご相談ください。