医師にどう伝える?傷病手当金申請書を通りやすくする方法 診断書の書き方?

まずはじめに「傷病手当金 診断書 書き方」と検索されてこの記事にたどり着いた方も多いかもしれません。

実は、傷病手当金の申請では「診断書」という名前の書類は提出しません。

その代わりに必要なのが、「健康保険傷病手当金支給申請書」の中にある【医師の記入欄】です。

この記事では、いわゆる“診断書のような役割”を果たすこの医師の記入欄を、どうすれば通りやすく書いてもらえるか、医師への伝え方を含めて具体的に解説します。

→ 関連記事:傷病手当金がもらえない!?不支給になる8つの理由と対策を徹底解説


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傷病手当金申請書はどうやって用意する?

傷病手当金を申請しようと思ったとき、まず気になるのが「申請書ってどこで入手するの?」という点ですよね。

実は、どの健康保険に加入しているかによって取り寄せ方が変わってきます。

1. 協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入している方

会社員やアルバイトで、協会けんぽに加入している場合は、以下のいずれかで申請書を入手できます。

  • 協会けんぽの公式サイトからダウンロード
    →「傷病手当金 支給申請書」で検索すれば、PDF版がすぐに出てきます。

  • 勤務先の総務・人事に依頼してもらう

  • 最寄りの協会けんぽ支部に直接出向いて受け取る

2. 健康保険組合に加入している方(大企業や一部業界など)

自社で独自の健康保険組合を持っている企業に勤めていた場合は、その組合ごとの申請書式があります。

そのため、

  1. 自分がどの健康保険に加入していたかをまず確認

  2. 加入していた健保組合の公式サイトから申請書をダウンロードする

  3. 不明な場合は、元の勤務先に問い合わせる

健康保険組合ごとに申請書の形式や提出先、必要書類が異なることがあるため、協会けんぽ用の申請書を誤って使わないよう注意が必要です。

また、健康保険組合では申請書の他にも必要な添付書類を求められるところが多いです。
公式サイトで必要書類を確認し、不明点は健康保険組合や勤務先に問い合わせましょう。


傷病手当金の申請に必要な医師記入欄とは?

傷病手当金を申請するには、「健康保険傷病手当金支給申請書」に医師が記載した診断情報が必要です。

今回は、協会けんぽの申請書4ページ目、「療養担当者記入用」のページを見ていきましょう。

申請書の4ページ目は、医師(療養担当者)が記載する診断情報の欄です。

ここが傷病手当金の支給可否を左右する最も重要なポイントのひとつとなります。

このページでは、特に以下の4点が正確に記載されていることが重要です。

  • 傷病名(例:うつ病、適応障害、椎間板ヘルニアなど)
  • 初診日(この病気で最初に医療機関を受診した日)
  • 労務不能と認めた期間(=働けないと判断された期間)
  • 医師の署名・押印・記載日

 

この申請書の医師記入欄が審査の最重要資料となるため、「なんとなく体調が悪い」では通りません。

医師にしっかりと現状を伝え、『上記期間中における「主たる症状及び経過」「治療内容、検査結果、療養指導」等』の箇所も、客観的かつ明確に記載してもらうことが必要です。

関連記事:退職後の社会保険関係で必要な手続きについて


医師に伝えるべきポイントは?

傷病手当金の申請を成功させるうえで欠かせないのが、医師に正確かつ具体的な情報を伝えることです。

申請書4ページ目(療養担当者記入欄)は、「働けない状態かどうか」を医師が判断・記載する重要な部分であり、ここに不備やあいまいな記述があると、審査が通らなかったり、不支給になったりする可能性もあります。

「通る申請書」にするためには、以下のような内容を医師にしっかり伝えることがポイントです。

1. 具体的な症状と日常生活への影響

「気分が落ち込む」だけでなく、「朝起きられず出勤できない」「人と会話するのが怖い」「通勤電車に乗るとパニックになる」など、日常生活で具体的にどのような支障が出ているかを説明しましょう。

こうした状況を伝えることで、医師も「労務不能」の根拠を記載しやすくなります。

2. 就労困難であることを明確に

傷病手当金は、「病気のある人」ではなく「病気のために働けない人」が対象です。

「働きたい気持ちはあるが、集中力が続かずミスを連発してしまう」 「上司の顔を見ると動悸や頭痛が起きる」など、働けない状況を具体例で示すと、医師も“労務不能”の根拠を書きやすくなります。

仕事に直接支障が出ていることを具体的に説明することがポイントです。

3. 症状の始まりと初診日の関係を整理

初診日は退職後ではなく在職中であることが必須条件です。

「症状をいつから感じていたか」「退職前に受診した記録があるか」を明確にしておきましょう。

→ 関連記事:失業保険を「不正受給」したらどうなる?


この医師に頼んで大丈夫?初診時に見極めることが大切

傷病手当金の申請では、医師(療養担当者)が記載する診断情報が非常に重要な役割を果たします。

しかし、「どの病院で診てもらうか」「どの医師に書類をお願いするか」によって、申請が通るかどうかが大きく左右されることもあります。

実際に、

  • 話をほとんど聞いてくれない

  • 症状の説明を軽く受け流される

  • 傷病手当金の制度に対して理解が薄い

といったケースでは、診断書に必要な内容がうまく反映されず、不支給になるリスクも高くなります。

「この先生に安心してお願いできそうかどうか」を、診察時にしっかり見極めましょう。

もし上記のような様子が見られた場合は、無理にそのまま通い続けるよりも、他の病院を受診することを検討しましょう。


医師とのコミュニケーションを成功させるコツ

医師は「制度を通すために書く」のではなく、あくまで医学的な観点から“必要な情報を記載する”というスタンスです。

そのため、患者側が診察時に正確で具体的な情報を伝えることが非常に重要になります。

ここでは、傷病手当金の申請をスムーズに進めるために役立つ、医師とのコミュニケーションのコツを3つご紹介します。

①診察前にメモを準備しておく

「いつから」「どんな症状が」「どんな場面で」起きているのかをあらかじめ整理して書き出しておくことで、診察時にスムーズかつ的確に状況を伝えることができます。

例:

  • 〇月頃から朝起きられなくなり、欠勤が増えた

  • 通勤電車で動悸や吐き気が起きる

  • 人前で話すとパニックになってしまう

このように、症状を具体的なエピソードとともに伝えることで、医師も状況を正しく把握しやすくなります。

②働きたい意欲があるが働けないことを伝える

「怠けていると思われるかも…」という気持ちから、本当の状態を医師に伝えられずにいる方も少なくありません。

しかし、傷病手当金は“病気を抱えている人”ではなく、“病気のために働けない人”が対象となる制度です。

申請書でも「就労困難な状態であること」が明記されなければ、申請が通らないことがあります。

例えば、

  • ミスが増えて業務が成立しない

  • 出勤すると強い頭痛やめまいが起きる

  • 人と接する場面で強い不安がある

こうした“働けない根拠”を遠慮せず、正直に伝えることが大切です。

③申請書記入の目的を伝える

診察時には、「この書類は傷病手当金の申請に必要なものです」と、書類の目的と制度の趣旨を医師にしっかり伝えましょう。

医師が傷病手当金の制度を知らないこともありますし、「労務不能の証明が必要である」ということを伝えることで、診断書への記載内容がより適切になることがあります。


不支給になってしまった場合の対処法

傷病手当金の申請が不支給となった場合、加入している健康保険組合や協会けんぽから「不支給決定通知書」が郵送されてきます。

通知書には、不支給となった理由が明記されており、必ず内容を確認することが大切です。

もし医師欄の内容が不十分で不支給になった場合でも、再申請は可能です。

 

  1. 医師に診断内容を再度詳細に記入してもらう
     → 特に「労務不能であること」の具体的な記述が重要です。

  2. 初診日や申請期間などの記載ミスを訂正する
     → 医師欄・本人欄・会社欄の整合性もチェックしましょう。

  3. 必要に応じて転院し、別の医師に記載を依頼する
     → 初診日を満たしていれば、転院して再申請も可能です。

「もう受け取れないのでは…」と不安になる方も多いですが、不支給=完全に終わりではなく、再申請や修正によって支給が認められるケースも多数あります。

不支給になってしまったときこそ、冷静に原因を分析し、適切に対応することが大切です。


医師の記入欄で不支給に?実際にあった3つの事例と注意点

傷病手当金の申請では、医師が記入する申請書4ページ目(療養担当者記入欄)が極めて重要です。

どれだけ症状が重くても、医師の記載が不十分だったり、制度の要件を満たさない形で書かれていると、不支給になるケースが少なくありません。

ここでは、弊社で実際に見られた医師の記入欄が原因で不支給となった事例と、注意すべきポイントをご紹介します。

①医師の文字が読めずに不支給に

事例:
医師が記入した「労務不能と認めた期間」の数字が判読困難で、申請期間が途中で途切れているように見なされた。
結果、退職日以降の受給要件が満たされないと判断されて不支給に。

対応策:
医師に依頼して読める字で書き直してもらい再提出。その後、無事支給が決定。

ポイント:
医師の記載内容が読みにくいだけでも「不備」と判断される場合があります。
自分でも読めない箇所は必ず医師に確認しておきましょう。

②申請期間を退職日以降に設定してしまい不支給に

事例:
在職中は有給休暇を消化していたため、「退職日の翌日」から申請期間を開始して提出。
しかし、制度上、傷病手当金の申請期間は在職中(=被保険者期間中)に開始していなければならないため、「申請開始日が退職後である=要件を満たしていない」と判断され、不支給に。

対応策:
初診日が在職中であったことをもとに、申請開始日を退職日前に修正して再申請を行い、無事支給が決定。

ポイント:
申請期間は「実際に病気のために働けなかった日」から始める必要があります。
退職や有休とは別に、初診日と労務不能の始まりを基準に考えることが大切です。

③申請期間中に診察を受けていなかった

事例:
2月1日~2月28日で申請したが、その月に1度も通院していなかった。
実際に次の受診があったのは3月5日であり、「申請期間中に診療記録が存在しない」と判断されて不支給に。

対応策:
申請期間を2月1日~3月5日に修正し、「うち診察日1日」と明記して再申請。無事支給が決定。

ポイント:
申請期間内に少なくとも1回の通院実績が必要です。
通院が間隔を空けてしまった場合は、その期間をカバーするよう申請期間を調整する必要があります。

今回ご紹介したように、医師の記入欄が原因で不支給となった場合でも、正しく修正・再提出することで支給される可能性は十分あります。

大切なのは、「不支給=終わり」と諦めず、原因を冷静に見直すことです。

弊社では、医師への再依頼の仕方や、申請内容の修正ポイントをわかりやすくサポートしています。


協会けんぽと健康保険組合、どちらが通りやすい?

傷病手当金を申請する際、「協会けんぽの方が通りやすい?」「会社独自の健保だと厳しい?」といったご相談をよくいただきます。

実際に、審査の通過しやすさには、加入している健康保険の種類によって“差が出る”こともあります。

ここでは、協会けんぽと健康保険組合の違いや、なぜ審査の通りやすさに差が生まれるのかを解説します。

協会けんぽの特徴:全国共通で比較的審査が明確

協会けんぽは、傷病手当金の申請に際し、申請者が正確に記入できるよう、公式サイトに記載例や記入のポイントを公開しています。

そのため、

  • 書類の不備がなければ比較的スムーズに審査される

  • 全国で基準がほぼ共通のため、審査結果が予測しやすい

  • 記載内容のポイント(労務不能・初診日など)が明確に定められている

といった特徴があります。

健保組合の特徴:基準が独自で厳しくなることも

一方で、健康保険組合は企業や団体ごとに運営されているため、審査基準や運用方針が異なる場合があります。

その結果、

  • 審査が厳格で、記載内容に少しでも不備があると返戻される

  • 抽象的な表現や不明瞭な診断内容では通りにくい

  • 初診日・労務不能期間・通院実績などに対するチェックが非常に細かい

というケースもあります。

健保組合によっては、精神疾患に対する審査が特に厳しいという声もあります。

なぜ通りやすさに差が出るのか?

傷病手当金は法制度として統一されていますが、その運用は実務上、審査官の判断や保険者の方針によって“ばらつき”が生じることがあります。

協会けんぽは全国共通のフォーマットで機械的に処理されやすい一方、健保組合は「企業の財源を守る」「不正防止を徹底する」といった観点で、保守的な運用になる傾向があるのです。

弊社では、保険者に応じた記載内容のアドバイスや申請書の事前チェックも行っておりますので、
「自分の健保は厳しいかも…」と不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 傷病手当金のために診断書は必要ですか?
→ 基本的には「診断書」ではなく「健康保険傷病手当金支給申請書」の療養担当者記入欄が必要です。

Q. 医師が申請書の記入を断ることはありますか?
→ 医師の判断によります。制度を理解していない場合や、症状が軽いと判断されている可能性もあります。

Q. 退職後でも傷病手当金は受け取れる?
→条件を満たせば受給可能です。
ただし、「退職日までに待期3日が完成している」「退職日当日が労務不能で休んでいる」などの追加要件があります。

Q. 通院していない月でも申請できる?
→原則として、申請期間中に1回以上の診察(通院・オンライン診療含む)が必要です。
通院が空いた場合は、実際の診察日にあわせて申請期間を調整する必要があります。

Q. 申請書は毎月提出するの?一度で終わらない?
→傷病手当金は月ごとに支給対象日数を確認するため、基本的に毎月申請が必要です。
継続する場合も「継続用申請書」を都度提出します。


最後に:傷病手当金の申請でお悩みの方へ

傷病手当金は、制度を正しく理解し、計画的に進めることで確実に受け取れる制度です。

初診から書類のチェック、医師とのやりとりなど、専門的な部分は弊社がフルサポートいたします。

「どこに相談すればよいかわからない」そんな方こそ、まずはLINEでお気軽にご相談ください。