「会社を辞めて独立したいけど、再就職手当はもらえるの?」
「フリーランスや業務委託契約でも対象になるの?」──
こうした質問をよくいただきます。
再就職手当は、雇用保険の基本手当を前倒しで受け取れる制度ですが、その名のとおり“再就職”として認められるかどうかがポイントです。
会社員だけでなく、開業・起業・自営業などのケースでも対象になる可能性があります。
この記事では、独立・開業・フリーランスなどのケースごとに条件や注意点を詳しく解説します。
目次
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再就職手当の基本条件(おさらい)
再就職手当を受け取るには、以下の基本条件を満たす必要があります。
- 待機期間(7日間)を経過していること
- 自己都合退職の場合は、さらに給付制限1か月を経過していること
- 所定給付日数の残りが3分の1以上あること
- 安定した職業に就いたと認められること
- 前職と同じ会社や関連会社に再就職していないこと
- 雇用保険の被保険者になれる働き方であること
ここで重要なのは「安定した職業」と見なされるかどうかです。
開業や独立でも、事業継続性が認められれば対象になる場合があります。
詳しい基本条件は以下の記事でも解説しています。
個人事業主として開業した場合
退職後に開業届を提出して個人事業主になった場合でも、条件を満たせば再就職手当の対象になる可能性があります。
ハローワークでは、事業を継続的に行い、安定した収入を得られる状態 と認められることがポイントです。
対象とされやすい条件は次のとおりです。
- 開業届を提出していること
- 取引先や売上計画など、事業の実態があること
- 単なる副業レベルではなく、生活の基盤となる仕事であること
これらを満たしていれば、個人事業主としての開業でも再就職手当が支給されるケースがあります。
ただし、事業の継続性を確認するために、契約書や収支計画書といった証明書類の提出を求められることもあるため、あらかじめ準備しておくことが大切です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
起業・独立の場合
株式会社や合同会社を設立して代表者となった場合でも、条件を満たせば再就職手当の対象となります。
ただし、ポイントは「単に法人を設立しただけでは不十分」という点です。
再就職手当の対象と認められるためには、次の条件を押さえておく必要があります。
- 法人登記を済ませていること
- 代表者として給与を受け取る体制が整っていること(賃金性があるかどうかが判断基準)
- 事業が継続的かつ安定して行われると認められること
つまり、会社を作っただけで収入が発生していない場合や、生活基盤として成立していない場合は「安定した職業」とは見なされません。
起業や独立で再就職手当を受給したい場合は、法人登記簿・事業計画書・役員報酬の設定を示す資料 などを用意し、ハローワークに対してきちんと説明できるようにしておくことが大切です。
フリーランス・業務委託の場合
フリーランスや業務委託契約で働く場合、再就職手当の対象外となるケースが多いです。
理由はシンプルで、雇用関係がなく「安定した職業」と認められにくい ためです。
ただし、次の条件を満たす場合には例外的に対象となる可能性があります。
- 開業届を提出しており、事業として活動していることが証明できる場合
- 業務委託契約であっても、実態が雇用に近く雇用保険の被保険者資格を得られるケース
- 長期的かつ安定した契約内容であることを契約書などで証明できるケース
このように「契約の安定性」や「開業届の提出」といった実態が伴えば、フリーランスや業務委託でも再就職手当が認められる余地があります。
一方で、単発案件や短期契約だけでは対象外となるのが一般的です。
また、事業実態を隠して申告すると 不正受給 と判断されるリスクがあるため、必ず正直に申告し、疑問点があれば事前にハローワークへ確認することが大切です。
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自営業・副業から本業化する場合
これまで副業として取り組んでいた活動を、本格的に専業化するケースもあります。
この場合でも、再就職手当の対象となるかどうかは 「安定した職業」として認められるか が判断基準になります。
具体的なポイントは次のとおりです。
- 副業収入が生活を支えられるレベルに達していること
- 今後も継続的に契約や売上が見込めること
- 事業が一時的ではなく、継続的な職業として成立しているとハローワークが判断できること
ただし、このようなケースは状況によって判断が分かれるため、自己判断せず、事前にハローワークへ相談して確認しておくことが重要です。
証拠となる契約書や売上実績などを提示できるように準備しておくと安心です。
副業や自営業に関連する詳しい情報は、以下の記事も参考にしてください。
条件を満たすための実務ポイント
独立や開業で再就職手当を受けるには、証明書類を揃えるだけでなく、ハローワークに相談することが欠かせません。
「開業しようと思っている」「業務委託で働こうと思っている」といった計画を事前に伝えておくことで、ハローワーク側から必要な書類や証明方法を具体的に指示してもらえます。
その指示に従って準備を進めれば、対象となる可能性は十分にあります。
一般的に求められる書類の例としては、次のようなものがあります。
起業・独立の場合
- 法人登記簿(会社設立を証明)
- 代表者報酬に関する書類(役員報酬の設定があるかどうか)
- 事業計画書や収支計画(継続性・安定性を示すため)
フリーランス・業務委託・自営業の場合
- 開業届(税務署に提出したもの)
- 業務委託契約書や取引先との契約書(継続性の証明)
- 請求書や入金記録(収入が実際にあることの証明)
- 確定申告書(事業所得として申告している場合)
こうした資料を整えて提出すれば、ハローワークで「安定した職業」と認められやすくなります。
逆に、自己判断で動き、証明が不十分なままだと対象外とされるリスクが高まります。
ポイントは 必ず事前に相談すること。
疑問点をそのままにせず、ハローワークと二人三脚で進めることが最も確実な方法です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 個人事業主として開業すれば必ず再就職手当をもらえますか?
A. いいえ。単に開業届を出しただけでは対象になりません。実際に事業を継続して行い、生活の基盤となるレベルの収入が得られると認められて初めて「安定した職業」と判断されます。契約書や売上実績など、事業の実態を示す資料が必要です。
Q2. フリーランスはなぜ対象外になることが多いのですか?
A. フリーランスや業務委託契約は雇用関係がなく、雇用保険の被保険者資格を満たさないためです。継続的な収入や契約の安定性が証明できなければ「安定した職業」とは見なされません。そのため、単発案件や副業レベルの活動は再就職手当の対象外になります。
Q3. 起業と業務委託では扱いがどう違うのですか?
A. 起業して法人を設立し、代表者報酬として給与を受け取る場合は「賃金性」があるため対象となる可能性があります。一方、業務委託契約は雇用関係がないため対象外となることが多いです。ただし、業務委託でも雇用に近い形態で継続的な契約がある場合は例外的に認められるケースもあります。
Q4. 自己都合退職でも再就職手当を受けられますか?
A. 可能です。ただし、待機期間7日に加え、給付制限1か月を経過してから再就職する必要があります。この期間内に就職した場合は、再就職手当の対象外となるので注意してください。
Q5. 書類が不十分な場合はどうなりますか?
A. 「安定した職業」と認められず、不支給となる可能性が高いです。開業届や法人登記簿、契約書や請求書など、事業の継続性を示す書類を事前に揃えておくことが重要です。迷った場合は、必ずハローワークに相談して指示を受けるようにしましょう。
Q6. 開業や独立を考えている段階でも申請できますか?
A. 再就職手当は「就業が始まったこと」が条件になるため、計画段階では対象になりません。ただし、ハローワークに開業や独立の意向を伝えておくことで、必要な書類や申請の流れを事前に確認することができます。実際に開業届や法人登記を済ませて事業を開始した時点で、初めて申請が可能になります。
まとめ
再就職手当は、会社員としての就職だけでなく、独立・開業・起業といったケースでも条件を満たせば対象になる制度です。
ただし、フリーランスや業務委託のように雇用関係がなく安定性を証明しにくい働き方は認められにくく、書類の不備や事業実態の不足があると不支給となる可能性があります。
大切なのは、ハローワークに相談しながら必要な証明書類を整え、「安定した職業」として認められるかどうか を確認することです。
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制度の条件や必要書類に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。