退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、
失業保険の開始時期や給付日数は大きく変わります。
結論から言うと、 パワハラ・長時間労働・退職勧奨など一定の基準を満たしていれば、
自己都合から会社都合(特定受給資格者)へ変更できる可能性があります。
ただし、感情的に「納得できない」と主張するだけでは認められません。
重要なのは、雇用保険上の客観的な基準に当てはまるかどうかです。
本記事では、会社都合退職として認められる具体的な基準と、
自己都合から変更するための実践的な手順を、わかりやすく解説します。
なお、失業保険の申請手続きの方法や受給条件を総合的に知りたい方は、
以下の記事もあわせてご覧ください。

目次
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会社都合になる可能性が高い「具体的なライン」
「会社都合にできるかどうか」は感覚ではなく、
雇用保険上の基準に当てはまるかどうかで判断されます。
まずは、多くの方が該当しやすい代表的なケースから確認していきましょう。
① 解雇(重大な自己責任を除く)
会社から一方的に雇用契約を終了させられた場合、原則として会社都合退職に該当します。
ただし、横領や重大な規律違反など「本人の重大な責任」がある懲戒解雇の場合は例外です。
それ以外の通常解雇や整理解雇などは、基本的に会社側の事情による退職と判断されます。
② 退職勧奨
会社から「辞めてほしい」「今後のキャリアを考えた方がいいのでは」などと促され、
実質的に退職せざるを得なかった場合も、会社都合に該当する可能性があります。
形式上は“合意退職”として処理されることが多いですが、
- 繰り返し退職を迫られた
- 断りづらい状況を作られた
- 配置転換や降格を示唆された
といった事情があれば、会社側の働きかけによる離職と判断されることがあります。
③ 長時間労働(過重労働)
直近6か月のうち、次のいずれかに該当し、その結果離職した場合、
会社都合と認められる可能性があります。
- いずれか1か月で残業100時間以上
- 連続2か月以上で平均80時間超
- 連続3か月のうち1か月でも45時間超
いわゆる「過労死ライン」に近い状態です。
特に、過労による体調不良やうつ病などの診断がある場合は、認められる可能性が高まります。
④ 賃金未払い
給与の未払いが発生し、その額が賃金の3分の1を超え、かつ支払期日までに支払われない場合は、
重大な労働条件違反とみなされることがあります。
単なる支払い遅延ではなく、継続的・重大な未払いであることがポイントです。
⑤ 賃金が大幅に減額された
予想できなかった賃金の大幅減額があり、従来の85%未満に低下した場合も対象になり得ます。
例えば、
- 基本給の突然の大幅カット
- 一方的な給与体系変更
などが該当します。
⑥ パワハラ・嫌がらせがあり、改善されなかった
パワハラや嫌がらせがあり、会社が把握しているにもかかわらず適切な対応を取らなかった場合も、会社都合に該当する可能性があります。
特に、
- 精神疾患の診断が出ている
- 相談記録が残っている
- 改善措置が取られていない
といった事情があると判断材料になります。
他にも会社都合に該当し得るケース
上記以外にも、会社都合として扱われる可能性のあるケースはあります。
たとえば次のようなものです。
- 事業所移転により通勤が著しく困難になった
- 更新されると明示されていた有期契約が更新されなかった(雇い止め)
- 法令違反が是正されず、安心して働けない状態だった
- 妊娠・出産・育児・介護を理由に不利益な扱いを受けた
- 職種転換において必要な配慮がされなかった
共通しているのは、
本人に重大な責任がないにもかかわらず、働き続けることが困難になったという点です。
会社が形式的に「自己都合」と処理していても、実態がこれらの基準に当てはまる場合は、
会社都合として変更できる可能性があります。
参照:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
会社都合退職と自己都合退職の違い
退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、
失業保険の受給条件や給付日数は大きく変わります。
まずは、それぞれの違いを整理しておきましょう。
自己都合退職とは
自己都合退職とは、労働者自身の意思で退職するケースを指します。
たとえば、
- キャリアアップのための転職
- 人間関係の問題による自主退職
- 家庭の事情による離職
などが該当します。
自己都合退職の場合、失業保険には次の特徴があります。
- 7日間の待機期間がある
- 原則として1か月の給付制限がある
- 給付日数は比較的短い
特に給付制限がある点は大きな違いです。
この期間中は失業保険を受け取ることができないため、生活資金の準備が重要になります。
会社都合退職(特定受給資格者)とは
会社都合退職とは、企業側の事情によって離職せざるを得なくなったケースです。
たとえば、
- 解雇
- 倒産
- 退職勧奨
- 過重労働やパワハラによる離職
などが該当します。
会社都合退職の場合は、
- 7日間の待機期間はある
- 原則として給付制限がない
- 給付日数が長く設定される傾向がある
というメリットがあります。
特に給付制限がないこと、そして給付日数が長くなることは、経済的な安心感につながります。
パワハラを理由に会社都合にするには
パワハラが原因で退職した場合でも、何も準備をせずに退職してしまうと、
「自己都合」として処理されてしまうケースは少なくありません。
会社都合として認めてもらうためには、
パワハラに該当するかどうかの判断基準を理解し、客観的な証拠を揃えることが重要です。
パワハラの判断基準
職場におけるパワーハラスメントは、一般的に次の3つの要素を満たすものとされています。
- 優越的な立場を利用した言動である
- 業務上必要な範囲を明らかに超えている
- 精神的または身体的苦痛を与えている
たとえば、
- 人格を否定する暴言を繰り返す
- 達成不可能なノルマを押し付ける
- 意図的に業務から外す、孤立させる
といった行為は、パワハラに該当する可能性があります。
重要なのは、「自分がつらいと感じた」だけでなく、
客観的に見て社会通念上許容される範囲を超えているかどうかです。
会社都合として認められやすくなる条件
パワハラが原因で会社都合退職と認められるためには、
次のような事情があると判断材料として有利になります。
- 医師の診断書がある(うつ病・適応障害など)
- 会社へ相談した記録が残っている
- 改善措置が取られなかった事実がある
特に診断書は非常に重要です。
「業務による影響が考えられる」などの記載があると、
継続勤務が困難であったことの裏付けになります。
また、社内窓口や人事へ相談した履歴があるかどうかも大きなポイントです。
会社が問題を把握していたにもかかわらず改善しなかった場合、
会社側の責任がより明確になります。
証拠チェックリスト
会社都合として主張するためには、できる限り証拠を残しておくことが大切です。
以下のようなものが有効です。
- 上司の暴言や圧力の録音データ
- LINEやメールのやり取り履歴
- 日付入りで記録した日記やメモ
- 医師の診断書
ポイントは、「後からでも第三者が確認できる形で残すこと」です。
感情的な主張だけでは認められにくいため、
時系列で整理された客観的資料があるかどうかが結果を左右します。
長時間労働を理由にする場合
一定の基準を超える長時間労働があり、それが離職の直接的な原因となっている場合は、
会社都合退職として認められる可能性があります。
そのためには、「実際にどれくらい働いていたのか」と、
「その結果、どのような影響が出たのか」を客観的に示すことが重要です。
必要な証拠
会社都合として主張するためには、長時間労働の事実を裏付ける証拠が欠かせません。
具体的には、次のような資料が有効です。
- タイムカードの記録
- 勤怠システムのデータ
- メールの送信履歴(深夜・休日対応の証明)
- 日報や業務報告書
- 医師の診断書
特に医師の診断書は重要です。
「過労による体調不良」「業務によるストレス」などの記載があれば、
長時間労働と健康状態との因果関係を示す資料になります。
手続きの流れ
長時間労働を理由に会社都合を主張する場合は、次の流れで進めるのが基本です。
- 残業時間を記録・保存する
まずは勤務実態を証明できる資料を確保します。
退職後は取得が難しくなるため、在職中に保存しておくことが重要です。 - 医師の診断を受ける
体調不良がある場合は早めに受診し、診断書を取得します。
診断名や「業務との関連」が記載されていると有利になります。 - 退職理由を明確に伝える
退職時に「一身上の都合」と曖昧に伝えると自己都合扱いになりやすいため、
「長時間労働により継続勤務が困難」と具体的に伝えることが重要です。 - 離職票を確認する
退職後に届く離職票の「離職理由」欄を必ず確認します。
自己都合と記載されていないかチェックしましょう。 - 必要に応じてハローワークで異議申し立てを行う
もし自己都合と記載されていても、証拠を提出することで変更が認められる可能性があります。
長時間労働を理由に会社都合へ変更するためには、
感情的な主張ではなく、数字と資料で示すことが最も重要です。
自己都合から会社都合へ変更する手順
本来は会社都合に該当するケースでも、
離職票が「自己都合」として処理されてしまうことがあります。
しかし、正しい手順を踏めば、会社都合へ変更できる可能性があります。
① 退職理由を具体的に主張する
まず重要なのは、退職理由を曖昧にしないことです。
「一身上の都合」とだけ伝えてしまうと、自動的に自己都合退職として扱われやすくなります。
- 長時間労働により継続勤務が困難だった
- パワハラにより心身に不調をきたした
- 退職勧奨を受けた
など、会社側に原因があることを明確に伝えることが第一歩です。
② 証拠を整理する
主張だけでは変更は認められにくいため、客観的な証拠を整理します。
- 勤怠記録やタイムカード
- 録音やメール履歴
- 医師の診断書
- 社内相談の記録
これらを時系列でまとめておくと、説明がスムーズになります。
③ 会社へ退職理由の訂正を依頼する
離職票が発行された後でも、まずは会社に対して訂正を依頼することが可能です。
事実関係を整理したうえで、退職理由の修正を求めます。
この段階で応じてもらえれば、比較的スムーズに解決します。
④ 労働基準監督署・労働局へ相談する
会社が応じない場合は、第三者機関へ相談します。
- 労働基準監督署
- 都道府県労働局
相談履歴が残ることで、後の手続きでも有利に働くことがあります。
⑤ ハローワークで異議申し立てを行う
離職票に「自己都合」と記載されていても、ハローワークで事情を説明し、
証拠を提出することで変更が認められる可能性があります。
特に、
- 診断書
- 残業記録
- 退職勧奨の証拠
などがある場合は、有力な判断材料になります。
会社都合にできた場合のメリット
会社都合退職として認められると、失業保険の受給条件が自己都合より有利になります。
主なメリットは次のとおりです。
- 原則として給付制限がない
自己都合退職では給付制限があるのに対し、会社都合退職では原則として給付制限がありません。
そのため、待機期間終了後、比較的早く受給が始まります。 - 給付日数が長くなる
会社都合退職は、自己都合退職よりも給付日数が長く設定される傾向があります。
特に勤続年数が長い人ほど差が出やすいです。 - 再就職手当が増える可能性がある
再就職手当は、失業保険の残日数をもとに計算されます。
給付日数が長くなることで、結果的に支給額が増える可能性があります。 - 各種減免制度が利用しやすくなる場合がある
会社都合退職に該当すると、国民年金保険料や国民健康保険料の軽減制度などを利用しやすくなるケースがあります。
就職困難者に該当すれば、会社都合より給付日数が長くなることも
実は、一定の条件を満たし「就職困難者」に該当する場合、
会社都合退職よりも給付日数が長くなるケースがあります。
「会社都合にできれば十分」と思われがちですが、
状況によっては就職困難者区分のほうが有利になる可能性もあります。
受給日数や総額がどのくらい変わるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|会社都合にできるかどうかは「基準」と「証拠」で決まる
会社都合にできるかどうかは、感覚ではなく「制度の基準」と「証拠」で決まります。
パワハラや長時間労働など、本来は会社側に原因がある退職でも、
自己都合として処理されてしまうケースは少なくありません。
大切なのは、
- 自分が基準に該当するかを正しく判断すること
- 証拠を整理して、適切な手続きを取ること
です。
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「会社都合になるのか分からない」
「就職困難者に該当する可能性はある?」
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といったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。






















